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判例時報 No.2066
             平成22年4月1日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆判例特報◆ 県知事及び市長に対してされた、公有水面埋立て、土地造成事業に関する一切の公金の支出等の差止めを求める請求(地方自治法二四二条の二第一項一号)が、判決確定時までに支払義務が生じた部分並びに調査費及びこれに伴う […]


◆判例特報◆

県知事及び市長に対してされた、公有水面埋立て、土地造成事業に関する一切の公金の支出等の差止めを求める請求(地方自治法二四二条の二第一項一号)が、判決確定時までに支払義務が生じた部分並びに調査費及びこれに伴う人件費に関する部分を除き、認容された事例

――泡瀬干潟埋立て公金支出差止訴訟控訴審判決(福岡高那覇支判平21・10・15)

◆判決録◆

行政

◎一 遺産分割協議は国税徴収法三九条にいう第三者に利益を与える処分に当たり得るか

二 滞納者に詐害の意思のあることは国税徴収法三九条所定の第二次納税義務の成立要件か

(最一判平21・12・10)

▽遊園施設を運営する法人のした清掃業務の業務委託料の支出の一部等が租税特別措置法(平成一八年法律第一〇号による改正前のもの)六一条の四の交際費等に当たるとされた事例

(東京地判平21・7・31)

民事

◎一 賃借人が、借地上の建物の建て替えに当たり賃貸人から得た承諾とは異なる持分割合で新築建物を他の者らの共有とすることを容認して借地を無断転貸したことにつき、賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるとされた事例

二 賃借人が、借地上の建物の共有者がその持分を他の者に譲渡することを容認して借

地を無断転貸したことにつき、賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるとされた事例

(最二判平21・11・27)

◎被害者が自賠法七三条一項所定の他法令給付に当たる年金の受給権を有する場合に、政府が同法七二条一項によりてん補すべき損害額を算定するに当たって控除すべき年金の額

(最一判平21・1・17)

○核燃料加工会社の事業所の臨界事故により健康被害を受けたとする近隣住民の損害賠償請求について、右事故と健康被害との間に因果関係は認められないとして、その請求が棄却

された事例(東京高判平21・5・14)

▽いわゆる相続させる旨の遺言をした遺言者より先にその名宛人とされた相続人が死亡した場合と代襲相続人による当該遺言に従った代襲相続の可否(消極)

(東京地判平21・11・26)

▽一 居住用建物賃貸借契約における、契約更新時に賃借人が更新料を払う旨の更新料条

項が、消費者契約法一〇条に該当し無効であるとされた事例(①事件)

二 居住用建物賃貸借契約における、契約更新時に賃借人が更新料を支払う旨の更新料

条項並びに室内新装状態への原状回復に掛かる費用のうちの一定額を賃借人が分担して支払う旨の定額補修分担金条項が消費者契約法一〇条に該当し無効であるとされた事例(②事件)

(①、②京都地判平21・9・25)

▽市道の交差点で衝突した車両が交差点の角の敷地に突込み建物を破損した事故につき、市道の設置管理に塀庇があるとして市に対して求めた国家賠償請求が棄却された事例

(津地判平21・10・28)

知的財産権

○発明の名称を「会合分子の磁気処理のための電磁処理装置」とする発明に係る特許を無効

とした審決が、引用発明との相違点についての判断を誤ったものであるとして取り消された事例

(知的財産高判平21・7・7)

○指定商品を時計等とする「DEEP SEA」との登録商標につき、商標権者が販売する時計の文字盤に「DEEPSEA」との表示がされていることをもってしては商標法五〇条一項にいう「使用」の事実に当たらないとして同商標登録を取り消したいわゆる不使用による商標登録の取消しの審判における審決について、同「使用」の事実に当たるとして審決が取り消された事例

(知的財産高判平21・10・8)

商事

◎特定の種類の商品先物取引について差玉向かいを行っている商品取引員が、専門的な知識を有しない委託者との間で締結した商品先物取引委託契約上、委託者に対して負う説明義務及び通知義務

(最一判平21・7・16)

▽従業員に貸与した自動車が友人に又貸しされ、友人が飲酒状態で運転して事故を起こし

た場合、正当な権利者の承諾がなかったとして、他車運転危険担保特約の免責が認められ

た事例

(大阪地堺支判平21・9・30)

労働

▽財団法人の総務部長が、常務理事兼事務局長のパワハラ・セクハラ的言動を告発する報告書を理事長に提出したこと及び同報告書の内容を漏洩したことを理由とする懲戒解雇が無効とされた事例

(東京地判平21・6・12)

刑事

◎気管支ぜん息の重積発作により入院しこん睡状態にあった患者から、気道確保のため挿入されていた気管内チューブを抜管した医師の行為が、法律上許容される治療中止に当たらないとされた事例

――川崎協同病院事件上告審決定(最三決平21・12・7)

◆最高裁判例要旨(平成二二年一月分)

最新判例批評№614

一九 地方自治法(平成一四年法律第四号による改正前のもの)二四二条の二第七項にいう「相当と認められる額」とは、住民から訴訟委任を受けた弁護士が当該訴訟のために行った活動の対価として必要かつ十分な程度として社会通念上適正妥当と認められる額をいうとされた事例(最一判平21・4・23)

……武田真一郎

二〇 いわゆる「デート商法」による宝飾品の購入者が既払いの割賦金の返還を斡旋業者に求めることができるとされた事例(名古屋高判平21・2・19)

……尾島茂樹

二一 公立小学校の教員が、女子数人を蹴るなどの悪ふざけをした二年生の男子を追いかけて捕まえ、胸元をつかんで壁に押し当て、大声で叱った行為が、国家賠償法上違法とはいえないとされた事例(最三判平21・4・28)

……後藤巻則

二二 有価証券報告書等の虚偽記載に起因する株価暴落により投資者が被った損害の額の算定方法――西武鉄道株主(一般投資家)集団訴訟控訴審判決

(東京高判平21・2・26)

……川村正幸

二三有価証券報告書の虚偽記載による損害賠償請求が認容された事例――ライブドア株式一般投資家集団訴訟第1審判決(東京地判平21・5・21)

……松原正至

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