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判例時報 No.2315
             平成29年2月11日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

カンファレンス尋問
 ──複数専門家による口頭での知見提供の新しい方法……平野哲郎
 
現代型取引をめぐる裁判例(413)……升田 純
 
対話小説★戦後裁判官物語(9)……乗本太市
 
■判例特報
社会福祉法人の意思決定手続の確認に関して金融機関の過失を認めた事例
(東京高判平28・8・31)
 
■判決録
<行政> 2件
<民事> 5件
<知的財産権> 2件
<労働> 1件
<刑事> 1件


◆記 事◆

カンファレンス尋問──複数専門家による口頭での知見提供の新しい方法……平野哲郎

現代型取引をめぐる裁判例(413)……升田 純

対話小説★戦後裁判官物語(9)……乗本太市

◆判例特報◆

 社会福祉法人が銀行を介して証券会社から期限前償還条項付為替リンク債を購入した場合について、同法人において定款上必要な理事会の決議を経ることなく購入契約がなされ、証券会社に理事会の決議の存否についての確認方法に過失があったとして、契約の効果が同法人に帰属しないとされた事例

(東京高判平28・8・31)

◆判決録細目◆

行 政

▽地方公共団体(特別区)の長が、右地方公共団体が発行済株式の全部を保有する株式会社の代表取締役の地位にあった者に対し会社法八四七条に基づく責任追及等の訴えを提起しないことが、違法に財産の管理を怠る事実に該当しないとされた例

(東京地判平27・7・23)

▽一 消費者庁が行った不開示決定について行政情報公開法における不開示情報に該当しないとして不開示部分を取り消した事例
二 消費者庁が行った部分開示決定の手続に行手法八条違反はないとされた事例

(東京地判平28・1・14)

民 事

○検察官が刑事被告人の勾留先を捜索して弁護人との手紙等を押収した事は違法であるとして、被告人と弁護人の国家賠償請求を認容した事例

(大阪高判平28・4・22)

▽新車の売買契約において車両の足回り等の部分に多量の錆が存在することにつき、隠れた瑕疵の存在を肯定した事例

(富山地判平27・7・8)

▽老人性認知症患者の長期ケアを目的とする精神病院において内科医が視・聴診だけで経過観察とした場合に、当該事案の具体的情況・経過に照らせば、内科医には直ちにCT・MRI検査をするべき義務はなかった、と認定して精神病院経営者の責任を否定した事例

(さいたま地判平28・1・28)

▽遺言内容の記載された書面の文面上には遺言者の署名のみがあり押印を欠くものの、二枚からなる書面の一枚目と二枚目にまたがり遺言者の契印がある遺言が、自筆証書遺言として有効とされた事例

(東京地判平28・3・25)

▽一 婚姻費用の分担の支払の始期について、申立人が相手方に内容証明郵便をもって婚姻費用の分担を求める意思を表明した時期とした事例
二 申立人が居住する住宅ローンの支払を算定表によることができない特別の事情として考慮した事例
三 就学中である子らについて、算定表による算定に当たっての未成熟子としては取り扱うこととするが、その学費については、算定表によることができない特別の事情として考慮するのは相当でないとした事例

(東京家審平27・8・13)

 知的財産権

○「フランク三浦」の登録商標につき商標法四条一項一〇号、一一号、一五号及び一九号に該当するとした無効審決が取り消された事例

(知財高判平28・4・12)

▽名称を「メニエール病治療薬」とする発明について、被告らが製造販売する被告製品につき構成要件の充足性が否定され、被告製品の差止請求及び損害賠償請求が棄却された事例

(東京地判平28・1・28)

労 働

▽使用者との間で期間の定めのある労働契約を締結している定年後再雇用者と期間の定めのない労働契約を締結している正社員との間の賃金に関する労働条件の相違が不合理なものであり、労働契約法二〇条に違反するとされた事例

(東京地判平28・5・13)

刑 事

▽起訴後の被告人の取調べが適法ではなく、その供述が任意にされたものでない疑いがあるとして、供述調書の証拠能力を否定した事例

(東京地決平27・7・7)

◆最高裁判例要旨(平成二八年九・一〇月分)

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