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判例時報 No.2205
             平成26年2月1日 号 定価:1466円 (本体価格:1333円+10%税)

<最新判例批評>
 山本宣之 大塚正之 嶋 拓哉 駒田泰士
 弥永真生 須藤純正 新屋達之 植村立郎
 
■判例特報
平成二四年衆議院議員総選挙定数訴訟大法廷判決
 (最大判平25・11・20)
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 5件
<知的財産権> 1件
<商事> 1件
<労働> 1件


◆判例特報◆

 衆議院小選挙区選出議員の選挙区割りを定める公職選挙法(平成二四年法律第九五号による改正前のもの)一三条一項、別表第一の規定の合憲性
 ――平成二四年衆議院議員総選挙定数訴訟大法廷判決(最大判平25・11・20)

◆判決録細目◆

行 政

▽神奈川県議会の四つの会派が平成一五年度から平成一七年度までの間に交付された政務調査費の一部を条例に定める使途基準に違反して目的外支出したため県に対し合計約二億三七〇〇万円の不当利得返還義務を負ったとされ、これらの会派に対し返還請求をするよう県知事が命じられた住民訴訟の事例

(横浜地判平25・6・19)

民 事

○高級マンションの敷地内での犬の咬傷事件を原因として被害者に係るマンションの専有部分たる居室の賃貸借契約が中途解約されて空室となった場合において、当該マンションの別の居室内で犬を飼育していた居住者が、空室となった居室の賃貸人に通常生ずべき賃料相当額の損害を生じさせたことにつき民法七一八条一項及び七〇九条に基づく損害賠償責任を負うとされた事案

(東京高判平25・10・10)

▽破産会社が破産手続開始決定の申立て前、事業再建会社と事業譲渡等のアドバイザリー契約を締結し、助言を受けて事業を譲渡したが、破産後、破産管財人による否認権を行使された場合、事業再建会社の破産管財人に対する債務不履行責任が肯定された事例

(東京地判平25・7・24)

▽不動産競売手続において建物、敷地が売却されたところ、車庫内の自動車から遺体が発見された場合、現況調査を行った執行官の注意義務違反が否定された事例

(東京地判平25・4・24)

▽宅地の売買契約により取得した土地が地下水集中地盤で、地表から〇・五メートルの地下水位から地下水が湧出していることは、土地の瑕疵にあたるとして、買主の売主に対する瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求が認容された事例

(名古屋地判平25・4・26)

▽食鳥処理の業務を受託した会社及びその再受託会社が、委託会社が右委託契約更新を拒絶し、受託会社側の従業員を引き抜き、同会社を廃業に追い込んだとして委託会社に対してなした損害賠償請求が棄却された事例

(宮崎地判平25・7・12)

知的財産権

▽特許権侵害用途以外の用途をも有する間接侵害品について、その用途にかかわらず製造等の差止めの必要があり、これを認めることが被告に過剰な負担を課すものであるとはいえず、販売先の利用態様に応じて限定することは現実的にも不可能であるし、その必要があるとも認めがたいとして、その製造等の差止め及び廃棄が認容された事例

(大阪地判平25・2・21)

商 事

▽保険加入会社からの保険金請求につき、本件火災は加入会社の代表者の放火によるとする故意免責の抗弁が認められるとして、保険金請求が棄却された事例

(横浜地判平25・10・11)

労 働

○酒気帯び運転で検挙された市立中学の教師についてなされた懲戒免職処分が、社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を逸脱し、これを濫用してなされたとして、取り消された事例

(東京高判平25・5・29)

◆最高裁判例要旨(平成二五年一一月分)

判例評論

九 根保証契約の主たる債務の範囲に含まれる債務に係る債権の譲渡が元本確定期日前にされた場合に譲受人が保証債務の履行を求めることの可否

(最二判平24・12・14)……山本宣之

一〇 夫婦の一方が婚姻中に支出して不動産を取得したが、これを財産分与対象財産としないで離婚判決が確定した場合において、当該不動産が共有関係にあるとして、同不動産を占有する元妻から、共有者である元夫に対し、共有持分に相当する使用損害金を支払うよう命じた事例

(東京地判平24・12・27)……大塚正之

一一 外国倒産手続の承認申立てが競合した場合の優先関係について判断された事例

(東京高決平24・11・2)……嶋 拓哉

一二 特許法一〇二条二項の適用について、特許権者において、当該特許発明を実施していることを要件とするものではなく、特許権者に、侵害者による特許権侵害がなかったならば利益が得られたであろうという事情が存在する場合には、同項の適用が認められるとされた事例

(知的財産高判平25・2・1)……駒田泰土

一三 株式会社を設立する新設分割と詐害行為取消権

(最二判平24・10・12)……弥永真生

一四 非監査証明業務(業務指導)担当の公認会計士につき、虚偽記載有価証券報告書提出罪等の共同正犯が認められた事例

(最一決平22・5・31)……須藤純正

一五 控訴棄却の確定判決に対する再審請求が適法な再審事由の主張がなく不適法であることが明らかなときと刑訴規則二八五条一項による訴訟手続の停止

(最一決平24・2・14)……新屋達之

一六 検察官事務取扱の職務命令の発令を受けていなかった検察事務官がした公訴に基づき発付された略式命令に対する非常上告が認められた事例

(最三判平24・9・18)……植村立郎

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