バックナンバー

判例時報 No.2197
             平成25年11月11日 号 定価:838円 (本体価格:762円+10%税)

■判決録
<行政> 1件
<民事> 6件
<知的財産権> 1件
<商事> 1件
<刑事> 1件


◆記 事◆

現代型取引をめぐる裁判例 (337)……升田 純

◆判例特報◆

 一 民法九〇〇条四号ただし書前段の規定と憲法一四条一項
二 民法九〇〇条四号ただし書前段の規定を違憲とする最高裁判所の判断が他の相続における上記規定を前提とした法律関係に及ぼす影響

(最大決平25・9・4)

◆判決録細目◆

行 政

▽一 土地の共有持分を有する者が、当該土地は建築基準法四二条一項三号所定の道路(現存道路)に該当しないことの確認を求めた事案につき、確認の利益が認められた事例
二 当該土地が現存道路に該当すると認めるに足りる証拠はないとして、現存道路に該当しないことの確認請求が認容された事例

(札幌地判平25・4・15)

民 事

○成年後見開始取消審判を受けて間もない時期に行われた金融商品取引により生じた損失に関する顧客Xから証券会社Yに対する不法行為に基づく損害賠償請求につき、Xが十分な判断能力を有していなかったことなどを理由として、適合性原則違反等の主張を認め、一部認容(過失相殺二割)された事例

(大阪高判平25・2・22)

▽マンションの専有部分の賃借人側の居住者がマンション内を通行中、他の専有部分の賃借人側の居住者の飼育に係るドーベルマンに咬まれ、負傷し、その後、被害を受けた居住者、賃借人が退去した場合において、飼育者の被害者側の賃貸人に対する間接損害である賃料収入の逸失利益につき民法七一八条一項、七〇九条の各損害賠償責任が否定され、間接損害である解約違約金につき、民法四二二条の類推適用により損害賠償責任が肯定された事例

(東京地判平25・5・14)

▽自転車の走行中に生じた転倒事故の原因が、同自転車の前輪のサスペンション部分が分離したことにあり、同自転車には製造物責任法上の欠陥があるとして、これを輸入した業者に対する同法に基づく損害賠償請求が認容された事例

(東京地判平25・3・25)

▽児童が自転車を運転中、歩行者に衝突させ、歩行者が意識不明の重態になった事故について、児童の母の監督義務者としての損害賠償責任が肯定された事例

(神戸地判平25・7・4)

▽県立高校二年生の生徒が剣道部での練習中に倒れ搬送された市立病院で熱射病により死亡した事故につき、剣道部顧問の教諭に過失があると同時に搬送された市立病院の医師にも治療上の過失があるとして、県及び市の共同不法行為による損害賠償責任が認められた事例

(大分地判平25・3・21)

▽叔父より性的虐待行為を受け精神疾病を発症した被害女性の叔父に対する損害賠償請求権が、民法七二四条後段に規定する除斥期間の経過により消滅したとされた事例

(釧路地判平25・4・16)

知的財産権

○発明の名称を「換気扇フィルター及びその製造方法」とする特許発明について、引用発明及び特許出願前周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができるとした審決が取り消された事例

(知的財産高判平25・3・6)

商 事

▽保険対象の自動車を傷つけられ、塗料で汚されたとして求めた保険金請求につき、保険契約者が右損傷に関与したと推定されるとして棄却された事例

(大阪地判平25・1・28)

刑 事

○一審で裁判員の参加する合議体が強盗殺人等の事案につき死刑を選択したのに対し、控訴審が、前科を除けば死刑を選択し難い本件について、本件と前科との間に社会的な類似性は認められず、前科を重視して死刑を選択するには疑問があるなどとして、原判決を破棄して無期懲役刑を言い渡した事例

(東京高判平25・6・20)

◆最高裁判例要旨(平成二五年七・九月分)

Copyrightc 株式会社判例時報社 All Rights Reserved.

PAGE TOP