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判例時報 No.2173
             平成25年3月11日 号 定価:838円 (本体価格:762円+10%税)

■判決録
<行政> 1件
<民事> 5件
<知的財産権> 2件
<商事> 1件
<刑事> 1件


◆記 事◆

民事再生手続におけるクレジット会社の法的地位(上)
 ――最判平22・6・4民集六四巻四号一一〇七頁の事件を素材にして……関 武志
現代型取引をめぐる裁判例 (321)……升田 純

◆判決録細目◆

行 政

▽一 日本国籍を有する父とフィリピン国籍を有する母との間の嫡出子としてフィリピン国内で出生しフィリピン国籍を取得した原告らが、父母等が日本国籍を留保する意思表示をしなかったため、国籍法一二条により出生の時にさかのぼって日本国籍を失った場合に、同条は憲法一三条、一四条一項に違反し無効であると主張して日本国籍を有することの確認を求めた事案において、日本国籍の確認が認められなかった事例
二 日本国籍を有する父とフィリピン国籍を有する母との間の嫡出子としてフィリピン国内で出生しフィリピン国籍を取得した原告が、父母等が日本国籍を留保する意思表示をしなかったため、出生の時にさかのぼって日本国籍を失った場合に、国籍法一七条一項に基づく国籍取得の適法な届出がされたとして、日本国籍の確認が認められた事例

(東京地判平24・3・23)

民 事

○借地権付き建物の競売において、敷地所有者が物件明細書では国(財務省)と記載されていたが、買受けの申出時においては他の者に所有権が移転していた場合の民事執行法七五条一項の類推適用の可否

(東京高決平24・9・28)

▽一 美容目的で脂肪溶解剤を皮膚又は皮下脂肪層に注射する治療において、薬剤のバイアル及び生理食塩水の保管過程や注射液の混合過程で滅菌消毒処置を怠った注意義務違反が認められた事例
二 患者と医師との間で作成された合意書の清算条項の内容が限定的に解釈された事例

(東京地判平24・10・31)

▽公正取引委員会が調査の過程で収集した資料について、インカメラ手続を経て、証拠調べの必要性及び民訴法二二〇条四号ロ該当性が一部認められた事例

(大阪地決平24・6・15)

▽分譲マンションの耐震強度不足のため取り壊しを余儀なくされ損害を被った建築主による、誤った構造計算書等の作成に関与した設計会社とその取締役及び従業員に対する不法行為に基づく損害賠償請求並びに建築確認をした市に対する国家賠償法による損害賠償請求が認容された事例

(静岡地判平24・12・7)

▽漁業協同組合が会計担当者により現金を横領されたことにつき、同組合の代表理事に善管注意義務違反及び忠実義務違反があったとして、同組合が同代表理事に対してした水産業協同組合法三九条の六第一項等に基づく損害賠償請求が認められた事例

(松山地今治支判平24・8・23)

知的財産権

○引用発明において、切断片の取り出し除去作業を容易にし、切断部が垂直であることによる問題を解決する等の目的で、カッターとして引用例2に記載された回転円弧状又は球面状のカッターを採用する動機付けがあるとして、「マンホール蓋枠取替え工法」に係る発明が、引用発明及び引用例2に記載された発明から容易に想到することができるとされた事例

(知的財産高判平24・10・10)

▽雑誌の題号の一部と類似の題号を用いた雑誌について、混同のおそれがあるとして、不正競争防止法に基づき差止請求等が認容された事例

(大阪地判平24・6・7)

商 事

▽一 不動産賃貸借契約の更新料支払条項が消費者契約法九条一号及び一〇条により無効であると認めることはできないとして、適格消費者団体の事業者に対する同法一二条に基づく当該更新料支払条項の使用の差止めを求める請求が棄却された事例
二 不動産賃貸借契約終了後の明渡しの遅滞による損害賠償額の予定条項が消費者契約法九条一号及び一〇条により無効であると認めることはできないとして、適格消費者団体の事業者に対する同法一二条に基づく当該損害賠償額の予定条項の使用の差止めを求める請求が棄却された事例

(東京地判平24・7・5)

刑 事

◎一 実質的に経理担当の取締役に相当する権限を与えられていた者が法人税法(平成一九年法律第六号による改正前のもの)一六四条一項にいう「その他の従業者」に当たるとされた事例
二 法人税ほ脱犯において秘匿した所得を自ら領得する行為者の意図と法人税法(平成一九年法律第六号による改正前のもの)一六四条一項にいう「業務に関して」の要件

(最一決平23・1・26)

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