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判例時報 No.2390
平成31年2月11日 号 定価: 830 円(税込)

統治構造において司法権が果たすべき役割(6)
 権威の文化と正当化の文化
 ──日本の違憲審査制はグローバル化に耐えうるか?──……阪口正二郎
 
成年後見制度と意思決定サポートシステム(4)
 高齢社会における財産管理と信託の活用……三枝健治
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 3件
<労働> 1件
<刑事> 3件


◆記 事◆

統治構造において司法権が果たすべき役割(6)
 権威の文化と正当化の文化
 ──日本の違憲審査制はグローバル化に耐えうるか?──……阪口正二郎

成年後見制度と意思決定サポートシステム(4)
 高齢社会における財産管理と信託の活用……三枝健治

◆判決録細目◆

行 政

○一 大阪府私立外国人学校振興補助金交付要綱(要綱①)に基づいて交付される補助金の不交付決定及び大阪市義務教育に準ずる教育を実施する各種学校を設置する学校法人に対する補助金交付要綱(要綱②)に基づいて交付される補助金の不交付決定は、いずれも抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらないとした事例
二 大阪朝鮮学園が要綱①・要綱②に基づく補助金の交付を受けられる地位にあることの確認を求める訴えは、補助金交付の要否をめぐる問題を解決するための適切な手段であるから、確認の利益を肯定することができるとした事例
三 大阪府が、要綱①を改正し、大阪朝鮮学園が、特定の政治団体が主催する行事に、「学校の教育活動として参加していないこと」との要件を充足しないことを理由として、要綱①の補助金を不交付としたこと、並びに、大阪市が、要綱②の補助金の交付対象要件として、要綱①の補助金の交付を受けることが見込まれることを付加する改正をし、大阪朝鮮学園がこれを充足しないことを理由として、要綱②の補助金を不交付としたことは、憲法一三条、一四条、二三条、二六条、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(人権A規約)二条、一三条、市民的及び行政的権利に関する国際規約(人権B規約)二六条、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約、児童の権利に関する条約三条、教育基本法一六条一項、一四条二項、私立学校法一条に違反するものではなく、裁量の逸脱・濫用はないし、交付対象要件の適用にも誤りはないとした事例

(大阪高判平30・3・20〈参考原審:大阪地判平29・1・26掲載〉)

民 事

◎日本放送協会の放送の受信についての契約に基づく受信料債権と民法一六八条一項前段の適用の有無

(最三判平30・7・17)

▽一 消火器の破裂事故に関して、当該消火器が製造された当時の自治大臣が、消防法上の委任に基づいて有する消火器の規格省令の改正に関する職務上の権限を行使しなかったことについては違法性がないとして、国に対する国家賠償法一条一項に基づく損害賠償請求が棄却された事例
二 消火器メーカーで構成される一般社団法人及び破裂事故を起こした消火器のメーカーは、本件事故の発生を回避するための作為義務を負っていたとはいえないとして、不作為の不法行為に基づく損害賠償請求が棄却された事例

(大阪地判平30・4・13)

▽盗難車による事故につき、車両保有者の運行供用者責任を否定した事例

(名古屋地判平30・6・6)

労 働

◎一 有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が労働契約法二〇条に違反する場合における当該有期契約労働者の労働条件の帰すう
二 労働契約法二〇条にいう「期間の定めがあることにより」の意義
三 労働契約法二〇条にいう「不合理と認められるもの」の意義
四 無期契約労働者に対して皆勤手当を支給する一方で有期契約労働者に対してこれを支給しないという労働条件の相違が、労働契約法二〇条にいう不合理と認められるものに当たるとされた事例

(最二判平30・6・1)

刑 事

◎陳述書等の新証拠が無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たるとして再審開始の決定をした原判断に刑事訴訟法四三五条六号の解釈適用を誤った違法があるとされた事例

(最一決平29・12・25)

◎心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による処遇制度は、憲法一四条、二二条一項に違反せず、憲法三一条の法意にも反しない

(最三決平29・12・18)

▽児童自立支援施設に送致されるとともに、一年半の間に通算三〇日を限度として強制的措置をとることができる旨の決定を受けた少年につき、その強制的措置をとり得る大枠の期間内に更に一年半の間に通算六〇日を限度として強制的措置をとることができる旨の決定を求めた強制的措置許可申請事件において、これ以上の日数にわたる強制的措置の必要性は認められないとして、これを許可しなかった事例

(東京家決平30・2・2)

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