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判例時報 No.2377
平成30年10月1日 号 定価: 1440 円(税込)

<再審判例批評>
 上田健介 君塚正臣 藤原正則
 高林 龍 上杉秋則
 
◆第二回判例時報賞 結果発表
 
NHK受信料訴訟を考える(2)
 NHK受信契約の締結強制と「公共放送」概念……近江幸治
 
刑法判例と実務
 ──第三四回 不動産侵奪罪の周辺──……小林憲太郎
 
現代型取引をめぐる裁判例(434)……升田 純
 
■判決録
<行政> 4件
<民事> 4件
<刑事> 1件


◆記 事◆

NHK受信料訴訟を考える(2)
 NHK受信契約の締結強制と「公共放送」概念……近江幸治

刑法判例と実務
 ──第三四回 不動産侵奪罪の周辺──……小林憲太郎

現代型取引をめぐる裁判例(434)……升田 純

◆判決録細目◆

行 政

◎一 内閣官房報償費の支出に関する報償費支払明細書に記録された調査情報対策費及び活動関係費の各支払年月日、支払金額等を示す情報が、行政機関の保有する情報の公開に関する法律五条三号又は六号所定の不開示情報に該当するとされた事例
二 内閣官房報償費の支出に関する政策推進費受払簿、出納管理簿及び報償費支払明細書に記録された政策推進費の繰入れの時期及び金額、一定期間における政策推進費又は内閣官房報償費全体の支払合計額等を示す情報が、行政機関の保有する情報の公開に関する法律五条三号又は六号所定の不開示情報に該当しないとされた事例

(最二判平30・1・19)

◎愛知県議会議長の同県議会議員に対する発言の取消命令と司法審査

(最一判平30・4・26)

▽特例解散制度により解散する旨の方針の意思決定をしていた厚生年金基金における選択一時金の支給を停止する旨の規約変更につき、その効力を同基金の設立事業所の従業員又は元従業員に対して主張することが信義則違反になるということはできないとした事例

(名古屋地判平29・2・9)

▽県知事が行った、県が管理する県立公園における朝鮮人労働者を追悼する追悼碑の設置期間の更新不許可処分が、前記追悼碑が前記公園の効用を全うする機能を喪失していたということができないにもかかわらずなされた点において、裁量権を逸脱した違法があるとされた事例

(前橋地判平30・2・14)

民 事

◎一 国境を越えて日本への連れ去りをされた子の釈放を求める人身保護請求において、意思能力のある子に対する監護が人身保護法及び同規則にいう拘束に当たるとされた事例
二 国境を越えて日本への連れ去りをされた子の釈放を求める人身保護請求において、拘束者が国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づく子の返還を命ずる終局決定に従わないまま子を監護することにより拘束している場合における、拘束の顕著な違法性

(最一判平30・3・15)

◎滞納処分による差押えがされた後に設定された賃借権により担保不動産競売の開始前から建物の使用又は収益をする者の民法三九五条一項一号に掲げる「競売手続の開始前から使用又は収益をする者」該当性

(最三決平30・4・17)

○従業員が業務上の事故により死亡し、遺族が労働者災害補償保険法に基づく給付を受けたため、労働保険料が増額されたことを損害として、使用者が事故の加害者に対し損害賠償を請求した事案において、保険料の負担が増えたことを不法行為から生ずる損害とは認めることができないとした事例

(大阪高判平28・11・29〈参考原審:京都地判平28・7・1掲載〉)

▽一 タイヤの製造工程で使う粉末「タルク」に含まれるアスベストなどが原因で社員に肺がんや中皮腫等を発症したとして、タイヤ製造業者の責任が認められた事例
二 消滅時効の援用が権利の濫用に当たり許されないとされた事例

(神戸地判平30・2・14)

刑 事

○被告人が弟及び祖母を果物ナイフで突き刺して殺害したが、検察官と弁護人との間では心神耗弱であることに争いがなかった事案において、合理的とはいえない起訴前の精神鑑定に依拠して心神耗弱の認定をした原判決は、論理則、経験則等に照らして不合理な認定をしたものであって、被告人は当時心神喪失であったことについて合理的な疑いがあるとして、事実誤認により原判決を破棄し、被告人に無罪を言い渡した事例

(東京高判平28・5・11〈参考原審:長野地松本支判平26・12・24掲載〉)

判例評論

三一 公職選挙法一四条、別表第三の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性──平成二八年参議院議員選挙投票価値較差訴訟大法廷判決

(最大判平29・9・27)……上田健介

三二 公職選挙法の規定で一定の年齢に達しない者につき被選挙権を制限していることの憲法適合性について、公職選挙法二〇四条の選挙無効訴訟において選挙人らが被選挙権の制限に係る当該規定の違憲を主張してこれを争うことは可能であるか(消極)

(最三判平29・10・31)……君塚正臣

三三 一 遺留分減殺請求において、被代襲者が生前に受けた特別受益が、被代襲者の死亡後に代襲相続人となった者らの特別受益に当たるとされた事例

 二 推定相続人でない者が被相続人から贈与を受けた後に、被代襲者の死亡によって代襲相続人としての地位を取得した場合には、特段の事情がない限り代襲相続人の特別受益には当たらないものの、右贈与が実質的には被代襲者への遺産の前渡しとも評価しうる特段の事情があるとして、特別受益に当たるとされた事例
(福岡高判平29・5・18)……藤原正則

三四 一 出願人が特許出願時に容易に想到することができた他人の製品等に係る構成を特許請求の範囲に記載しなかっただけで、同製品等が特許請求の範囲から意識的に除外されたなどの同製品等と特許請求の範囲に記載の構成とが均等なものといえない特段の事情が存するといえるか

 二 出願人が特許出願時に容易に想到することができた他人の製品等に係る構成を特許請求の範囲に記載しなかったときにおける、同製品等が特許請求の範囲から意識的に除外されたなどの同製品等と特許請求の範囲に記載の構成とが均等なものといえない特段の事情が存する場合
  (最二判平29・3・24)……高林 龍

三五 不正経理を内部告発した者に対し、公益通報者保護法の保護対象外とした上で、同人への普通解雇を有効と判断した事例

(東京高判平28・12・7)……上杉秋則

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