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判例時報 No.2351*
平成30年1月11日 号 定価: 830 円(税込)

岐路に立つ裁判官(10)
 行政訴訟の審理と裁判官の責任
  ──その歴史と現状──……岡田正則
 
◎特別寄稿
 別荘地管理の法律関係……淺生重機
 
■判決録
<民事> 7件
<知的財産権> 1件
<商事> 1件
<労働> 3件


◆記 事◆

岐路に立つ裁判官(10)
 行政訴訟の審理と裁判官の責任──その歴史と現状──……岡田正則

◎特別寄稿

別荘地管理の法律関係……淺生重機

民 事

◎認定司法書士が弁護士法七二条に違反して締結した裁判外の和解契約の効力

(最一判平29・7・24)

◎個人情報の漏えいを理由とする損害賠償請求訴訟における損害に関する原審の判断に審理不尽の違法があるとされた事例

(最二判平29・10・23)

◎既にした執行処分の取消し等により強制執行が目的を達せずに終了した場合における執行費用の負担

(最一決平29・7・20)

▽一 脳梗塞による意識障害のため緊急入院して経鼻経管栄養の注入を受けていた八九歳の母親に対し、看護していた長男が医師に無断で栄養剤の注入速度を上げたことは違法であるが、そのことについて医師の管理責任の懈怠があるとはいえず、母親が誤嚥性肺炎等を経て敗血症及び急性腎不全により死亡したこととの因果関係がないとされた事例
二 母親と同居しその生活の世話をしていた長男の意向も考慮し、終末期の延命措置をしないとした医師の裁量判断に過誤はないとされた事例

(東京地判平28・11・17)

▽交通事故の被害者である原告が、加害者の破産により、いわゆる直接請求権を行使し、保険会社だけを被告として損害賠償額の支払を求める訴えを提起した場合、保険会社は、約款に基づき、請求完了日からその日を含めて三〇日を経過したときを起算日とする遅延損害金を支払う義務を負うとした上で、請求完了日について、損害賠償請求に関わる具体的な経緯等を踏まえ、加害者の破産手続開始日を請求完了日というべきであるとした事例

(東京地判平28・9・12)

▽警察官が自殺防止のため口腔内に挿入したタオルが原因となり窒息死したとして、警察官及び救護に当たった救急隊員の注意義務違反が主張された事案につき、警察官及び救急隊員の注意義務違反、タオルの挿入行為と死亡との因果関係並びに共同不法行為の成立を認め、遺族の国家賠償請求を認容した事例

(静岡地判平29・2・2)

▽親権者である父から暴行等を受け、自立援助ホームで生活している高校三年生の未成年者について、就職の諸手続を進めるために親権者の同意が必要であるが、親権者が協力を拒んでいるなどとして、親権停止の審判前の保全処分を認容した事例

(広島家審平28・11・21)

知的財産権

▽一 リサイクルトナーカートリッジを、プリンターに装着した場合にプリンターのディスプレイに「シテイノトナーガソウチャクサレテイマス」と表示されるようにすることが、不正競争(誤認惹起行為)に該当するとされた事例
二 商標の出所表示機能が他の表示によって打ち消されているわけではないから、商標権侵害の違法性は阻却されないとされた事例
三 純正品とリサイクル品とで市場が分かれているなどとして、誤認惹起行為による損害額の推定の一部が覆滅された事例

(大阪地判平29・1・31)

商 事

▽株式会社の代表取締役の違法行為に対する社外取締役の監視義務と常勤監査役の監査義務について違反がないとされた事例

(東京地判平28・7・14)

労 働

◎医療法人と医師との間の雇用契約において時間外労働等に対する割増賃金を年俸に含める旨の合意がされていたとしても、当該年俸の支払により時間外労働等に対する割増賃金が支払われたということはできないとされた事例

(最二判平29・7・7)

▽一 タクシー会社とその乗務員との間の労働契約が、期間の定めのある労働契約であるとされた事例
二 タクシー会社・乗務員間の労働契約は、労働契約法一九条一号には該当しないが、同条二号に該当するとされた事例
三 タクシー会社による乗務員の雇止めにつき、客観的合理性も社会通念上の相当性も認められ、不当労働行為には該当しないとされた事例
四 タクシー会社による乗務員の雇止めにつき、不法行為が成立しないとされた事例

(札幌地判平29・3・28)

▽私立大学における自社年金規程の不利益変更を有効とした事例

(東京地判平29・7・6)

※追加箇所

●本誌88頁・1段・参照条文部分
 「四につき、民法七〇九条」

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