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2291

判例時報 No.2291 ※
平成28年6月11日 号 定価: 830 円(税込)

許可抗告事件の実情
 ──平成二六年度──……尾島 明・佐古智昭
 
法曹実務にとっての近代立憲主義
 ──第六回 参政権──……宍戸常寿
 
現代型取引をめぐる裁判例(397)……升田 純
 
二〇一五年安保関連法強行採決事件・私の意見(8)
 ──『法服の王国』──……梶村太市
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 7件
<知的財産権> 1件
<商事> 1件
<労働> 1件
<刑事> 1件
 
◆最高裁判例要旨(平成二八年二月分)


◆記 事◆

許可抗告事件の実情──平成二六年度──……尾島 明・佐古智昭

法曹実務にとっての近代立憲主義──第六回 参政権──……宍戸常寿

現代型取引をめぐる裁判例(397)……升田 純

二〇一五年安保関連法強行採決事件・私の意見(8)──『法服の王国』──……梶村太市

◆判決録細目◆

行 政

○総代会を設けた土地区画整理組合が解散して清算法人となった場合、総代会は清算人を選任する権限を有するとされた事例
(札幌高決平27・12・10)

 民 事

◎抗告提起の手数料の納付を命ずる裁判長の補正命令を受けた者が、当該命令において定められた期間の経過後にこれを納付した場合の抗告状の効力
(最一決平27・12・17)

○頭部を殴打され脳脊髄液減少症ないし低髄液圧症候群を発症し、後遺障害が残ったとして不法行為に基づき損害賠償を請求した事案において、後遺障害診断書記載の症状固定日より前の時点で「損害を知った」と認められるとして、消滅時効の抗弁を認めて請求を棄却した事例
(大阪高判平27・5・28)

○面会交流の具体的取り決めを当事者の協議に委ねる調停合意の後、協議ができず面会交流が実施されなかったことにつき、一方的に原審被告らの責めに帰すべきものとはいえず、原審被告代理人弁護士が原審原告への連絡方法に書面郵送を用いたことが不適切とはいえない等として、誠実協議義務違反による共同不法行為の成立を否定して、これを肯定した原判決を取り消し、原審原告らの請求を棄却した事例
(福岡高判平28・1・20)

○債権者が金融機関からの借入金を債務者に貸し付け、金融機関に対する弁済条件と同様の条件で債務者が分割弁済を続けている事案において、債権者と債務者との金銭消費貸借契約では右条件による分割弁済の定めがされており、保全の必要性はないとして、債権者の仮差押命令申立てが却下された事例
(札幌高決平27・11・17)

▽第三者への転貸を目的とする建物の賃貸借契約の期間満了を理由とする明渡請求につき、賃借人が当該建物を使用する必要性は転貸による経済的利益に尽きること、契約終了時に賃貸人が転借人の賃借権(転貸人の地位)を引き受ける旨の条項があるため転借人の事情を考慮する必要はないこと等を理由に、五〇万円の立退料をもって正当事由の充足を認め、指図による占有移転を命じた事例
(東京地判平27・8・5)

▽太陽光発電設備を設置して発電事業を行おうとしている事業者の設置区域の住民に対する説明会において、生活支障や環境破壊のおそれを質したり主張したりして反対の意見を述べた住民の言動が、事業者の信用や企業イメージを不法に毀損するものではなく、右事業者の、反対住民に対する損害賠償請求本訴の提起がいわゆるスラップ訴訟に当たり違法とされた事例
(長野地伊那支判平27・10・28)

▽会社の再生手続の進行中に同社の代表取締役個人についての破産手続開始の申立てを受任した同社の再生手続開始申立代理人である弁護士において、当該代表取締役が同社の人員削減案等に係る労使交渉を早期に妥結させるために同社の従業員を会員とする団体に対して積立金の返還資金の補てんを目的として私財から金員を無償で譲渡する行為をやめさせるための措置を講じなかったことが、当該代表取締役の破産手続開始申立代理人としての財産散逸防止義務に違反するとはいえないとされた事例
(青森地判平27・1・23)

 知的財産権

○サポート要件違反を理由に特許を無効とした審決を維持した事例

(知的財産高判平27・10・8)

 商 事

▽被保険者が被害者に対して支払うべき損害賠償金から、被保険者が被害者に対して損害賠償金を支払うことによって代位取得するものの価額を控除した額の限度で保険金を支払う旨の賠償責任保険普通保険約款条項(二条一項一号)の適用範囲
(東京地判平27・8・18)

 労 働

▽一  上司から説得を受けてした減給に対する同意の意思表示につき、Xが自らの意思で同意書に署名押印した以上、Xが減給に納得していなかったとしても、これは意思表示をすることについての表意者の感情に過ぎないとして、心裡留保の成立が否定された事例

二  Yが、減給に同意する代わりに退職パッケージを提案したとしても、Xが減給に同意しないと解雇されると誤信したと認めることはできないとして、減給に対する同意の意思表示につき錯誤の成立が否定された事例
三  上司が、会議において、強い口調で質疑を繰り返したとしても、職務上必要な議論であったとして、不法行為の成立が否定された事例
(さいたま地判平27・11・27)

 刑 事

○被告人両名が、共謀の上、被告人Aの実母に暴行を加え、全身にわたる多発性障害を負わせて死亡させたとの事実を認定した原判決は、被告人両名が被害者の致命傷となった損傷の原因に関わった可能性が大きいことから両名の故意の暴行によるものと判断したものと解されるが、被害者が認知症の影響により暴れるなどし、これへの対応次第では、被告人らが被害者と共に転倒するなど、故意の暴行によらずに致命傷となった損傷の原因に関わることも十分にあり得ると考えられるから、この点を十分考慮せずにされた原判決の右判断は、論理則、経験則等に照らし不合理であるとされた事例
(大阪高判平27・3・11)

◆最高裁判例要旨(平成二八年二月分)

※訂正箇所

●本誌85頁・2段・19行目
 誤 …平13・8・29
   正 …平13・6・29

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