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判例時報 No.2368
平成30年7月1日 号 定価: 1440 円(税込)

いじめ自殺訴訟における過失及び因果関係の
 各要件の内容と判断の枠組み(1)……橋本英史
 
岐路に立つ裁判官(15)
 松橋事件再審開始決定に関する弁護人の考察……三角 恒
 
刑法判例と実務
 ──第三一回 刑法各論の意義と体系、特別刑法──……小林憲太郎
 
■判例時報
 だまされたふり作戦事件上告審決定(最三決平29・12・11)
 
■判決録
<民事> 2件
<商事> 1件
<労働> 1件
<刑事> 3件


◆記 事◆

◎特別寄稿

いじめ自殺訴訟における過失及び因果関係の各要件の内容と判断の枠組み(1)……橋本英史

岐路に立つ裁判官(15)
 松橋事件再審開始決定に関する弁護人の考察……三角 恒
刑法判例と実務
 ──第三一回 刑法各論の意義と体系、特別刑法──……小林憲太郎

◆判例特報◆

 共犯者による欺罔行為後だまされたふり作戦開始を認識せずに共謀の上被害者から発送された荷物の受領行為に関与した者が詐欺未遂罪の共同正犯の責任を負うとされた事例――だまされたふり作戦事件上告審決定

(最三決平29・12・11〈原審:福岡高判平29・5・21本誌2363号131頁掲載〉)

◆判決録細目◆

民 事

◎小規模個人再生において住宅資金特別条項を定めた再生計画案の可決が信義則に反する行為に基づく場合に当たるか否かの判断に当たり無異議債権の存否等を考慮することの可否

(最三決平29・12・19)

▽無料の資料請求サービスを利用して資料請求を行った外国人に対して、外国籍であるということのみを理由に資料の送付を拒否することは、不当な外国人差別(国籍差別)に当たるとして、不法行為の成立が認められた事例

(大阪地判平29・8・25)

商 事

◎不動産は、商法五二一条が商人間の留置権の目的物として定める「物」に当たるか

(最一判平29・12・14)

労 働

▽一 労働契約法二〇条は、①職務の内容、②当該職務内容、配置変更の範囲、③その他の事情を考慮要素としており、同条は、同一労働同一賃金の考え方を採用したものではなく、同一の職務内容であっても、有期契約労働者と無期契約労働者との間で一定の賃金制度上の違いがあることを許容すると解された事例
二 正社員と契約社員との労働条件の相違について、年末年始勤務手当、新人事制度導入後の住居手当、夏期冬期休暇、病気休暇に関する相違は不合理なものであるが、外務業務手当、早出勤務等手当、祝日給、夏期年末手当、夜間特別勤務手当、郵便外務・内務業務精通手当に関する相違は不合理なものであるとはいえないと判断した事例
三 労働契約法二〇条に違反する労働条件による損害の認定にあたり民事訴訟法二四八条を適用した事例

(東京地判平29・9・14)

刑 事

◎殺人未遂幇助被告事件について、第一審判決が説示する間接事実の積み重ねによって殺人未遂幇助の意思を認定できないとして事実誤認を理由に有罪の第一審判決を破棄し無罪とした原判決が是認された事例──東京都庁郵便小包爆発事件

(最一決平29・12・25〈参考原審:東京高判平27・11・27掲載、参考第一審:東京地判平26・6・30掲載〉)

○新証拠による犯行の手段、方法が自白と整合しないことは、その連鎖により自白全体の信用性を否定することに行き着くのであるから、原決定は、新証拠の存在を根拠にして、確定判決の心証形成に介入していることになり、その判断手法に違法はないとした事例──松橋事件再審即時抗告審決定

(福岡高決平29・11・29〈参考原審:熊本地決平28・6・30掲載〉)

▽一 精神科医の証言につき、被告人が自閉スペクトラム症と診断される状態であったとする部分については相応の合理性があるとしながら、その犯行への影響を述べた部分については、他の証拠から認められる事情と整合しない部分が少なくなく、その限度では採用できないとした事例
二 犯行の危険性、残忍さ、執拗さ、被害感情の厳しさ、犯行後の隠蔽工作に照らすと被告人の責任は相当に重く、少年院での処遇が有効であること、限定的とはいえ自閉スペクトラム症の影響があること、保護処分歴はないこと、被告人なりに自己がしたことに向き合おうとしていることを最大限考慮したとしても、責任に見合った刑罰を受けさせるべきとして、弁護人の少年法五五条移送の主張を排斥して、被告人を懲役八年以上一三年以下に処した事例

(名古屋地判平29・3・17)

判例評論

一五 県立高校の生徒の自殺につき、同級生らによるいじめ行為と同校教師らの安全配慮義務違反との間に事実的因果関係を認めたものの、同級生ら及び同校教師らには右生徒の自殺を具体的に予見することまではできなかったとして、右生徒が被った精神的苦痛について、その両親から同級生ら及び県に対する損害賠償請求が一部認容された事例

(神戸地判平28・3・30)……橋口賢一

一六 駐車場が地方税法三四九条の三の二第一項に定める併用住宅の敷地の用に供されている土地に該当する場合

(東京地判平28・11・30)……小塚真啓

一七 個別信用購入あっせんにおいて、購入者が名義上の購入者となることを承諾してあっせん業者との間で立替払契約を締結した場合に、販売業者が右購入者に対してした告知の内容が、割賦販売法三五条の三の一三第一項六号にいう「購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの」に当たるとされた事例

(最三判平29・2・21)……後藤巻則

一八 マンション管理組合における会計帳簿等の閲覧・写真撮影の可否

(大阪高判平28・12・9)……土居俊平

一九 一 意匠登録出願に係る物品が位置物品といえるか否かは、願書の記載等を考慮して、社会通念に照らして判断すべきものである

   二 意匠法七条(一意匠一出願)の要件を満たしているとされた事例
(知財高判平28・9・21)……青木大也

二〇 商品展示会に出展された試験管様の加湿器に関して、①「他人の商品」(不正競争防止法二条一項三号)該当性および保護期間(同法一九条一項五号イ)の始期、並びに②応用美術の著作物性について、それぞれ判断がなされた事例――スティック加湿器事件

(知財高判平28・11・30)……泉 克幸

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