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判例時報 No.2349*
             平成29年12月21日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

法曹実務のための行政法入門(9)
 ─―行政の行為形式論⑤─―行政立法(その一)……高橋 滋
 
現代型取引をめぐる裁判例(425)……升田 純
 
国際刑法の窓(13)
 ──「共謀罪」法の真実(上)──……森下 忠
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 5件
<知的財産権> 1件
<刑事> 2件


◆記 事◆

法曹実務のための行政法入門(9)
 ―─行政の行為形式論⑤─―行政立法(その一)……高橋 滋
現代型取引をめぐる裁判例(425)……升田 純
国際刑法の窓(13)
 ──「共謀罪」法の真実(上)──……森下 忠

行 政

▽一 金融商品取引法六四条の五第一項に基づく外務員登録取消処分の取消訴訟と当該外務員の原告適格
二 金融商品取引法六四条の五第一項に基づく外務員登録取消処分が、同項の定める処分要件を欠き、違法であるとされた事例
三 金融商品取引法六四条の五第一項に基づく外務員登録取消処分が、行政手続法一四条一項本文の定める理由提示の要件を欠き、違法であるとされた事例

(東京地判平29・4・21)

民 事

○貸金業法の国際的適用範囲につき、日本国内において金銭の貸付けの一部を業として行っている限り、顧客が国外の借主であっても「貸金業を営」むこと(三条一項)に該当するものと解するのが相当であるとした事例

(東京高判平28・12・12〈参考原審:東京地判平28・5・23掲載〉)

○公務員が三年余り前に女子高生に対する盗撮の罪で逮捕された事実を含む記事等が掲載されたウェブサイトのURL等情報を検索結果から削除することを検索事業者に対し命じることを否定した事例

(名古屋高決平29・3・31〈参考原審:名古屋地決平28・7・20掲載〉)

〇心房細動の治療としてカテーテルアブレーションを受けた患者が、術後脳梗塞を発症し重大な後遺障害が残った場合において、担当医師に過失があったとして病院側の損害賠償責任が認められた事例

(名古屋高判平29・7・7〈参考原審:名古屋地判平28・2・17掲載〉)

〇一 弁護士会照会の照会事項に対する報告義務に係る確認の訴えの法的性質
二 郵政事業会社の弁護士会照会に対する報告拒絶には正当な理由がなく、弁護士会のした照会について郵政事業会社の弁護士会に対する報告義務確認請求が認容された事例

(名古屋高判平29・6・30〈参考差戻前上告審:最三判平28・10・18二三二〇号掲載〉)

▽子育て支援事業を行う特定非営利活動法人の理事長が生後四か月の幼児に対して身体機能回復指導と称する手揉み施術をして、呼吸停止等の症状を発生させ、低酸素脳症により死亡させたことについて、副理事長に民法七一九条二項の幇助者としての責任があるか(積極)

(神戸地判平28・12・14)

知的財産権

◎一 出願人が特許出願時に容易に想到することができた他人の製品等に係る構成を特許請求の範囲に記載しなかっただけで、同製品等が特許請求の範囲から意識的に除外されたなどの同製品等と特許請求の範囲に記載された構成とが均等なものといえない特段の事情が存するといえるか
二 出願人が特許出願時に容易に想到することができた他人の製品等に係る構成を特許請求の範囲に記載しなかったときにおける、同製品等が特許請求の範囲から意識的に除外されたなどの同製品等と特許請求の範囲に記載された構成とが均等なものといえない特段の事情が存する場合

(最二判平29・3・24)

刑 事

○地下鉄サリン事件などのオウム真理教関連事件に関与し逃亡していた被告人について、事件から約二〇年後に言い渡された有罪判決に対し被告人が控訴したが、死刑確定者の証人尋問における遮へい措置の採用及び公判期日外の証人尋問等に関する訴訟手続の法令違反の論旨、殺意及び共謀についての事実誤認の論旨等を排斥して、控訴を棄却した事例

(東京高判平28・9・7〈参考原審:東京地判平27・4・30二二七〇号掲載〉)

○一 被告人らが、外国産豚肉を輸入するに当たり、内容虚偽の輸入申告を行って差額関税をほ脱したという関税法違反の事案において、WTO農業協定四条二項は、我が国の裁判規範として直接適用されるものではなく、豚肉の差額関税を定めた関税暫定措置法二条二項、別表第一の三は、WTO農業協定に違反して無効となるものではないとされた事例
二 関税法違反の事案における量刑は、保護関税としての特性を踏まえ、重視すべきは、保護すべき当該国内産業に対する侵害の程度であり、当該輸入貨物の内容・性質、量及び価格並びに当該輸入取引の内容等を総合考慮して判断するのが相当であるとした事例

(東京高判平28・8・26〈参考原審:千葉地判平28・2・8掲載〉)

※訂正箇所

●本誌32頁・4段・29行目
 誤 …ア 債務者は、
 正 …ア 債権者は、

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