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判例時報 No.2278
             平成28年2月11日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

法曹実務にとっての近代立憲主義
──第二回 思想・良心の自由 侵害された個人の痛みに敏感な解釈論に向けて──……西原博史

被害者参加制度に対する手引きの問題点について……髙橋正人

現代型取引をめぐる裁判例(389)……升田 純

■判決録
<行政> 2件
<民事> 5件
<知的財産権> 1件
<商事>1件
<労働>1件
<刑事>1件


◆記 事◆

法曹実務にとっての近代立憲主義 ──第二回 思想・良心の自由 侵害された個人の痛みに敏感な解釈論に向けて──……西原博史

被害者参加制度に対する手引きの問題点について……髙橋正人

現代型取引をめぐる裁判例(389)……升田 純

◆判決録細目◆

 行 政

○一 卒業式における君が代起立斉唱命令違反を理由とする停職三月・停職六月の各懲戒処分が懲戒権者の裁量権を逸脱するものとして取り消された事例
二 裁量権を逸脱する違法な処分を下したことにつき、公務員による過失があったとして国家賠償請求が認容された事例

(東京高判平27・5・28)

○ 市職員らの労働組合等に対する市庁舎一部の目的外使用不許可処分につき、行政庁の裁量判断が重要な事実の基礎を欠くか、又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠く場合に限り、裁量権の逸脱又は濫用として違法となるとの規範を示した上で、①五年余にわたり目的外使用許可を受けてきた市庁舎一部の平成二四年度目的外使用不許可処分については、著しく合理性を欠き、社会通念に照らし著しく妥当性を欠くもので違法であるとし、②市庁舎の一部を組合事務所として利用するための平成二五年度、平成二六年度の目的外使用申請に対する不許可処分については、適法であるとされた事例

(大阪高判平27・6・26)

 民 事

◎一 一部の区分所有者が共用部分を第三者に賃貸して得た賃料のうち各区分所有者の持分割合に相当する部分につき生ずる不当利得返還請求権を各区分所有者が行使することができない場合
二 一部の区分所有者が共用部分を第三者に賃貸して得た賃料につき生ずる不当利得返還請求権を他の区分所有者が行使することができないとされた事例

(最二判平27・9・18)

○ 離婚後一五年以上婚氏を称した者について、婚姻前の氏に変更する「やむを得ない事由」があるとされた事例

(東京高決平26・10・2)

○ 相続の開始があった時から一〇年を経過した後にした遺留分減殺請求権の行使について、右請求権の行使を期待することができない特段の事情があったとは認められないとして、民法一〇四二条後段の効果が生じたとされた事例

(仙台高判平27・9・16)

▽ 株式会社の取締役を解任された者が、会社、代表者につき反社会的勢力との関係がある等の内容を記載した文書を株主、取引先等に送付したことが、名誉・信用毀損に当たるとされた事例

(東京地判平27・6・29)

▽ システム開発を目的とする契約において、受注者が仕様に従った作業を行いシステムを完成させたと認め、債務不履行責任が認められなかった事例

(大阪地判平26・1・23)

 知的財産権

▽ 被告製品の構成が、本件特許の原出願時点における公知技術から当業者が容易に推考できたものとして、原告の有する特許権の均等侵害が認められなかった事例

(東京地判平27・3・25)

 商 事

▽ 損害保険会社から損害保険契約締結の代理権を付与されていた者が、積立保険料名目で契約者から順次金銭を詐取した場合には、損害保険会社に保険業法二八三条の損害賠償責任があるとされた事例(過失相殺四割)

(山口地萩支判平27・3・23)

 労 働

▽一 大学教授に対する解任決議の有効性が認められた事例
二 女子大学院生に対するハラスメント行為に対し、女子大学院生と恋愛関係にあった旨の原告の主張が排斥された事例

(東京地判平27・6・26)

 刑 事

◎ 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成二三年法律第七四号による改正前のもの)三条一項九号にいう「詐欺罪に当たる行為を実行するための組織」に当たるとされた事例

(最三決平27・9・15)

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