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判例時報 No.2276
             平成28年1月21日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

家事調停への要望
 ──事実認定と合理的解決案の策定──……篠田省二

現代型取引をめぐる裁判例(388)……升田 純

二〇一五年安保関連法強行採決事件・私の意見(6)
 ──安保法制と日中戦争──……伊東秀子

■判決録
<行政> 1件
<民事> 7件
<知的財産権> 1件
<商事> 1件
<刑事> 1件
 
◆最高裁判例要旨(平成27年10月分)


◆記 事◆

家事調停への要望 ──事実認定と合理的解決案の策定──……篠田省二

現代型取引をめぐる裁判例(388)……升田 純

二〇一五年安保関連法強行採決事件・私の意見(6) ──安保法制と日中戦争──……伊東秀子

◆判決録細目◆

 行 政

▽ カメラの持込みや写真撮影が禁止されている拘置所内において、収容されている被告人からの同所内職員から殴られたとの訴えを受けた弁護人が接見交通の機会に証拠保全の目的で被告人の負傷状態の撮影をすることは、被告人が弁護人と相談しその助言を受けるという意思疎通を確保するために認められている接見交通権の保障の範囲に含まれず、撮影された写真の消去を求めることは違法といえないとされた事例

(福岡地小倉支判平27・2・26)

 民 事

○ 民事訴訟における当事者の陳述書及び弁護士の準備書面の記載について名誉毀損による共同不法行為の成立が認められた事例

(大阪高判平27・10・2)

○ 弁護士を原告とする訴訟において、原告の申立てによりされた公示送達が無効とされた事例

(名古屋高判平27・7・30)

○ 任意自動車保険の約款上の被害者直接請求権は自賠法一六条による被害者請求権と異なる枠組みでの運用を予定しており、被害者が加害者(被保険者)に対する損害賠償請求権を行使しないことを一方的かつ抽象的に宣言することによって、直ちに、保険者に損害賠償額の支払を求める法的手続を取ることを許容するものではないとして、請求が棄却された事例

(仙台高判平26・3・28)

▽ 信託銀行を賃貸人とするプールを含む総合スポーツクラブ施設の賃貸借契約において、プールの天井裏の屋根周り部材が腐食し、天井崩落の危険が生じた場合に、賃貸人、賃借人の双方の債務不履行責任が否定された事例

(東京地判平27・4・28)

▽ 雑誌の付録の制作業務の委託契約において、付録の瑕疵が認められ、制作業者に瑕疵担保責任が認められた事例

(東京地判平27・5・11)

▽一 鉄道軌道敷敷地内に土砂が流入した事故について、同敷地に接する傾斜地の造成業者らの損害賠償責任が肯定された事例
二 鉄道軌道敷敷地内に倒木した事故について、倒れた樹木の所有者の損害賠償責任が肯定された事例
三 鉄道軌道敷敷地内への倒木について、伐木の中止を求めた後の鉄道会社の対応に過失があるとして、鉄道会社の損害から過失相殺(二割)された事例

(東京地判平27・3・31)

▽ 切断され道路上に垂れ下がった電話線を避けようとして発生した交通事故について、電話線の切断を事故の発生前に知って事故を回避することは不可能であったなどとして、電話会社による電話線の保存に瑕疵はなかったとした事例

(仙台地石巻支判平27・3・26)

 知的財産権

○ 発明の名称を「アイロンローラなどの洗濯処理ユニットへフラットワーク物品を供給するための装置」とする特許の特許権者及びその専用実施権者による、特許権侵害に基づく損害賠償請求が一部認容された事例

(知的財産高判平26・12・4)

 商 事

▽ 証券会社の従業員が、長年会社を経営し社債を中心に投資をしていた当該会社の代表者に対し、産活法適用の認定を受けている電子部品製造販売会社の社債の購入を勧誘するに当たり、当該会社の経営状態に不安があっても産活法適用の再認定を受けられる見込みが高いなどと説明したことについて、断定的判断を提供して金融商品を購入させたものとされた事例

(札幌地判平27・1・30)

 刑 事

▽ 被告人が他国の競業他社に流出させた営業秘密情報に高い有用性が認められ、当該開示行為は悪質であるが、競業他社と被害会社の一方との間で和解が成立するなどした点は量刑上相当程度考慮されるべきとして、被告人を懲役五年及び罰金三〇〇万円に処した事例

(東京地判平27・3・9)

◆最高裁判例要旨(平成二七年一〇月分)

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