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判例時報 No.2273
             平成27年12月21日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

■判決録
<行政> 1件
<民事> 7件
<知的財産権> 1件
<商事> 1件
<刑事> 1件


◆記 事◆

現代型取引をめぐる裁判例 (386)……升田 純
二〇一五年安保関連法強行採決事件・私の意見(5)――安全保障法制と日本の未来――……濱田邦夫

◆判例特報◆

アメリカ合衆国軍隊が管理する飛行場周辺の住民が同飛行場に離着陸する航空機による騒音等により被害を受けたとして請求した損害賠償について、同飛行場にいわゆる民事特別法二条にいう設置又は管理の瑕疵があるとして、その一部が認容された事例
――普天間基地損害賠償訴訟第一審判決
(那覇地沖縄支判平27・6・11)

◆判決録細目◆

行 政

◎一 匿名組合契約に基づき匿名組合員が受ける利益の分配と所得区分の判断

二 匿名組合契約に基づき航空機のリース事業に出資をした匿名組合員が、当該契約に基づく損失の分配を不動産所得に係るものとして所得税の申告をしたことにつき、国税通則法六五条四項にいう「正当な理由」があるとされた事例

(最二判平27・6・12)

民 事

○債務者による重要な動産の売買について、目的や動機が正当であり、手段や方法も相当であるとして、詐害行為の成立が否定された事例
(大阪高判平27・6・3)

○保証人が提起した保証債務不存在確認請求の一審判決後に主債務者が債務を全額弁済した場合、当該訴えの確認の利益はないとして訴え却下の判決がされた事例
(福岡高判平27・3・12)

▽訴訟事件を受任した弁護士が追加請求の取扱いにつき虚偽の説明をし、依頼者と訴訟の方針に係る意見が対立し辞任したことが、不法行為に当たらないとされた事例
(東京地判平27・5・29)

▽マンションの管理組合の代表者による長年にわたる管理費等の費消につき、費消額が推認され、不法行為が認められた事例
(東京地判平27・3・13)

▽内縁の夫が交通事故により死亡した場合、その配偶者の扶養請求権侵害の損害と慰謝料を認めた事例
(東京地判平27・5・19)

▽東日本大震災での原子力発電所の放射性物質放出の復旧作業に従事し死亡したことにつき、遺族の電力会社及び復旧作業を請負った会社に対する安全配慮義務違反による共同不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償請求が棄却された事例
(静岡地判平26・12・25)

▽申立人(父)と相手方(母)の離婚後、非親権者申立人が親権者相手方に対し、申立人と未成年者(長女七歳)との面会交流の時期・方法等について審判を求めたところ、申立人の暴力的言動、相手方の申立人に対する不信感や嫌悪感は深刻で父母間の協力関係は期待しがたく、第三者機関等の関与があっても円滑な父子面会の実施は期待しがたい等として、申立人の面会交流の申立てを却下した事例
(仙台家審平27・8・7)

知的財産権

○一 地域団体商標と被控訴人標章との類似性が否定された事例
二 地域団体商標の効力と、商品の普通名称等に商標権の効力が及ばない旨を規定した商標法二六条一項二号等との関係について判断し、地域内アウトサイダーが当該地域団体商標を使用する場合であっても、当該使用態様が自他商品の出所識別機能を害するものである場合は、同号に該当するということはできないとした事例
三 地域団体商標に係る商標について、不正競争防止法における周知商品等表示及び著名商品等表示該当性が否定された事例
四 地域団体商標に係る商標権に基づく権利行使が権利の濫用に当たるとされ認められなかった事例
(福岡高判平26・1・29)

商 事

▽傷害保険の被保険者の死亡事故が約款に定める死亡保険金の支払事由である「急激かつ偶然な外来の事故」に当たるということはできないとされた事例
(札幌地判平26・12・26)

刑 事

○再審請求棄却決定に対する即時抗告審において、裁判所が実施した鑑定を踏まえてもなお、試料汚染の可能性が払拭できないという状況に変わりがなく、同鑑定に依拠することはできないとの理由で、証拠の明白性を否定し、即時抗告が棄却された事例
――本庄事件再審請求棄却決定に対する即時抗告審決定
(東京高決平27・7・31)

◆最高裁判例要旨(平成二七年九月分)

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