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判例時報 No.2265
             平成27年10月1日 号 定価:1466円 (本体価格:1333円+10%税)

<最新判例批評>
 高作正博 井上禎男 木藤 茂 飯島淳子
 黒沼悦郎 間渕清史 小田 司
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 5件
<知的財産権> 1件
<労働> 1件
<刑事> 2件


◆記 事◆

ドイツの連邦裁判所(BGH)と連邦司法……小野秀誠

◆判決録細目◆

行 政

○道路運送法四〇条に基づく輸送施設(事業用自動車)の一般乗用旅客自動車運送事業のための使用停止処分が、弁明手続において行政手続法三〇条二号、一三条一項二号に違反し、理由付記の程度において同法一四条一項本文に違反しているとして取り消された事例

(広島高松江支判平26・3・17)

民 事

○干拓地の潮受堤防排水門の開放を命じた確定判決の間接強制として一人につき一日一万円の金銭の支払いを命じたにもかかわらず、その履行がされなかったことにより、間接強制としての支払額を一人につき二万円に増額した原決定が維持された事例

(福岡高決平27・6・10)

▽イタリア法人と日本法人との間で締結された製品を継続的に供給し日本法人が日本等で独占的に販売する旨の独占的製品供給契約において、買主の最低購入注文金額義務違反による債務不履行責任が肯定された事例

(東京地判平27・2・13)

▽マンションの管理会社の従業員等が会社を設立し、取引先である管理組合に契約の解約を慫慂する等した行為につき、従業員等、新会社の共同不法行為が認められた事例

(東京地判平27・2・12)

▽東日本大震災の地震発生後,自動車教習所からの送迎バスに乗車中又は徒歩で帰宅中に津波に遭い死亡した教習生らの遺族及び同教習所で勤務中に津波に遭い死亡した従業員の遺族が,同教習所経営法人並びに同法人の取締役ら,学校長及び教官に対して安全配慮義務違反等を理由として損害賠償請求した事案について,同法人には消防による広報等に従い避難すべき義務に違反したという安全配慮義務違反があり損害賠償責任があるが,同法人の取締役ら,学校長及び教官は個人として不法行為等に基づく損害賠償責任を負わないとされた事例

(仙台地判平27・1・13)

▽認可外保育園において睡眠中の幼児(一歳)が死亡した事故につき,死因は乳幼児突然死症候群ではなく,うつぶせ寝による窒息死であるとして,保育園経営者らの不法行為責任(重大な過失)を認めた事例

(福島地郡山支判平27・3・6)

知的財産権

○老舗菓子店「龜屋陸奥」が菓子「松風」の包装材に使用し,需要者の間に広く認識されていた鶴の図形(引用商標)と実質的に同一の商標である本件商標について,不正の目的をもって使用するものに当たるとして,本件商標登録を無効とした審決が維持された事例

(知的財産高判平27・4・27)

労 働

◎会社における業績連動型の報酬につき,その支給を求め得る具体的な請求権が発生していないとされた事例

(最一判平27・3・5)

刑 事

◎妄想性障害に罹患していた被告人が実行した殺人、殺人未遂等の事案につき、事理弁識能力及び行動制御能力が著しく低下していたとまでは認められないとされた事例

(最二判平27・5・25)

◎一 金融商品取引法(平成二〇年法律第六五号による改正前のもの)一六六条一項一号にいう「役員,代理人,使用人その他の従業者」の意義
二 金融商品取引法(平成二〇年法律第六五号による改正前のもの)一六六条一項一号にいう「その他の従業者」該当性

(最二決平27・4・8)

判例評論

四八 公職選挙法一四条、別表第三の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性

(最大判平26・11・26)……高作正博

四九 開示請求対象となった行政文書の不存在を理由とする不開示決定の取消訴訟において当該不開示決定時に当該行政機関が当該行政文書を保有していたことの主張立証責任――沖縄返還「密約」文書開示事件上告審判決

(最二判平26・7・14)……井上禎男

五〇 行政事件訴訟法一二条三項にいう「事案の処理に当たった下級行政機関」の意義――行政組織法上の行政機関以外の組織の該当可能性

(最一決平26・9・25)……木藤 茂

五一 横浜市空き缶等及び吸い殻等の散乱の防止等に関する条例の趣旨、目的等からすれば、同条例に基づく喫煙禁止地区内での路上喫煙に対する過料を科すためには、違反者に少なくとも過失が必要であるとした上で、その過失が肯定された事例――横浜市路上喫煙規制条例過料処分事件

(東京高判平26・6・26)……飯島淳子

五二 有価証券届出書の虚偽記載に対する課徴金の要件

(東京地判平26・2・14)……黒沼悦郎

五三 株式会社の解散判決が確定した場合に、原訴訟には関与していなかったが判決の効力を受ける株主が、独立当事者参加の申出と共に再審の訴えを提起するには、単に当事者の一方の請求に対して訴え却下または請求棄却の判決を求めるだけでは足りず、参加人自身の請求を提出する必要がある

(最一決平26・7・10)……間渕清史

五四 一 アメリカ合衆国ネヴァダ州裁判所を専属的合意管轄裁判所とする国際的専属的裁判管轄の合意が公序法に違反するとして無効とされた事例

 二 特別の事情による訴えの却下の主張が認められなかった事例
(東京高判平26・11・17)……小田 司

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