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判例時報 No.2221
             平成26年7月11日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

■判決録
<行政> 1件
<民事> 6件
<知的財産権> 1件
<労働> 1件
<刑事> 1件


◆記 事◆

現代型取引をめぐる裁判例 (351)……升田 純

◆判決録細目◆

行 政

〇一 国の重要文化財である建築物(旧磯野家住宅、別名銅御殿)の近隣に居住する住民は文化庁長官において当該建築物の隣地に高層マンションの建築を行った者に対して文化財保護法四五条一項に基づく重要文化財の保存のための環境保全命令をすることの義務付けを求める訴えの原告適格を有しないとされた事例
二 国の重要文化財である建築物(旧磯野家住宅、別名銅御殿)の近隣に居住する住民が提起した文化庁長官において当該建築物の隣地における高層マンションの建築につき文化財保護法四三条一項本文に規定する重要文化財の保存に影響を及ぼす行為に対する許可手続を行う義務があることの確認を求める訴えにつき確認の利益が認められないとされた事例

(東京高判平25・10・23)

民 事

◎一 人事に関する訴え以外の訴えにおける民訴法一一八条一号のいわゆる間接管轄の有無の判断基準
二 違法行為により権利利益を侵害され又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えと民訴法三条の三第八号の「不法行為に関する訴え」
三 違法行為により権利利益を侵害され又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えにおける民訴法三条の三第八号の「不法行為があった地」の意義
四 違法行為により権利利益を侵害され又は侵害されるおそれがあるとして差止請求を認めた外国裁判所の判決について民訴法一一八条一号のいわゆる間接管轄の有無を判断する場合において、民訴法三条の三第八号の「不法行為があった地」が当該外国裁判所の属する国にあるというために証明すべき事項

(最一判平26・4・24)

○団地の自治会の会長が同団地の住民に対し自治会への加入を強制し、自治会費の支払を請求したことが不法行為に当たるとして、自治会の損害賠償責任が認められた事例

(福岡高判平26・2・18)

▽一 都心にある二つのビルの間に所在する登記簿上の所有者が国である狭小地について、一方のビルの所有者の時効取得が認められた事例
二 都心にある二つのビルの間に所在する登記簿上の所有者が国である狭小地に設置された一方のビルの排水管について、他方のビルの所有者からの撤去請求が権利の濫用に当たるとして棄却された事例
三 都心にある二つのビルの間に所在する登記簿上の所有者が国である狭小地における一方のビルの所有者からの他方のビルの所有者に対する境界確定請求について、土地の境界が確定された事例
四 都心にある二つのビルの間に所在する登記簿上の所有者が国である狭小地における一方のビルの所有者からの国に対する境界確定請求について、被告適格がないとして訴えが却下された事例
五 都心にある二つのビルの間に所在する登記簿上の所有者が国である狭小地における一方のビルの所有者から国に対する所有権確認請求について、被告適格がないとして訴えが却下された事例

(東京地判平24・5・21)

▽産院における新生児取り違えを理由とする債務不履行について、権利の内容、性質に照らして客観的合理的に見て権利行使が期待できないときは時効の進行を否定すべき場合があり、その際には損害の特殊性も考慮すべきであるとして、時効の完成が認められなかった事例

(東京地判平25・11・26)

▽ウェブサイトによる商品の受注システムを利用した顧客のクレジットカード情報が流出した事故につき、システムの設計、製作、保守等の受託業者の債務不履行に基づく謝罪・問合せ等の顧客対応費用、売上損失等の損害賠償責任が肯定された事例

(東京地判平26・1・23)

▽公共用地の寄附に基づく所有権移転登記手続請求に対し,寄附者から主張された先履行又は同時履行の抗弁が認められなかった事例

(津地判平25・9・2)

知的財産権

○北朝鮮に居住し、北朝鮮国籍を有する者らがPCTに基づいて行った国際出願に関して、特許庁長官が、右出願が日本がPCTの締結国と認めていない北朝鮮の国籍及び住所を有する者によりなされたものであることを理由に行った手続却下処分が維持された事例

(知的財産高判平24・12・25)

労 働

▽エステティシャンとしてエステ業務に従事していた原告に生じた上肢障害について、原告が行っていた業務の業務量や業務実態等を踏まえると業務起因性を肯認することができるとして、処分行政庁がした休業補償給付不支給処分が取り消された事例

(東京地判平26・1・27)

刑 事

◎特別抗告審において原決定が取り消され、保釈を許可した原々決定が是認された事例

(最三決平26・3・25)

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