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判例時報 No.2220
             平成26年7月1日 号 定価:1466円 (本体価格:1333円+10%税)

<最新判例批評>
 渡邉泰彦 山下竜一 池村正道 興津征雄
 野一色直人 田中 治 大沢 光
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 6件
<知的財産権> 1件
<商事> 1件
<労働> 1件


◆判決録細目◆

行 政

○タクシー増車の認可申請を、新規の輸送需要が見込まれないこと等を理由に却下した運輸支局長の処分が、違法ではないとされた事例

(東京高判平26・1・23)

民 事

○共有物分割請求が権利の濫用に当たるとして棄却された事例

(東京高判平25・7・25)

○共同絶交が人格権を違法に侵害するとして共同不法行為の成立が認められた事例

(大阪高判平25・8・29)

▽毎月分配型投資信託の受益証券を販売した銀行及びその販売用資料等を作成した投資信託委託会社につき、受益者に支払われる分配金の性格(元本の一部払戻しに相当する特別分配金の存在)等についての説明義務違反を認め損害賠償が命じられた事例

(東京地判平26・3・11)

▽自転車便の請負人が出勤途上に起こした交通事故について、注文者である自転車便業者の使用者責任が認められた事例

(東京地判平25・8・6)

▽被告会社の従業員が会社の店舗内で脳幹出血で死亡したことにつき、死亡者の父母及び兄が被告会社には従業員に対する安全配慮義務違反があるとして求めた損害賠償請求が棄却された事例

(名古屋地半田支判平25・9・10)

▽未認可保育園において睡眠中の幼児(一歳二ヶ月)が一時無呼吸状態となり、低酸素性虚血性脳症を発症し重大な後遺障害を残したことにつき、右保育園の経営者の損害賠償責任が否定された事例

(横浜地川崎支判平26・3・4)

知的財産権

▽テレビ放送会社及び編集会社に対して、テレビ番組の画面上に特定のフォントによるテロップを使用し、番組の制作、放送、配給、及び番組を収録したDVDを販売するには、ディスプレイフォントについて個別の番組ごとの使用許諾及び使用料の支払いが必要であるとするフォントベンダーの損害賠償請求が棄却された事例

(大阪地判平25・7・18)

商 事

▽一 任務懈怠行為を繰り返していた代表取締役が行った会社資金の流出行為につき、監査役である原告には、取締役に対してリスク管理体制構築等を勧告すべき義務の違反があるものの、同違反につき重大な過失があるとまではいえないとされた事例(第一事件、第二事件)
二 原告に対する役員責任査定決定に先立ち行った仮差押命令の申立て、原告の右査定決定異議の訴えに対して被告が反訴を提起した行為につき、いずれも原告に対する不法行為には当たらないとされた事例(第三事件)

(大阪地判平25・12・26)

労 働

◎募集型の企画旅行における添乗員の業務につき、労働基準法三八条の二第一項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たらないとされた事例

(最二判平26・1・24)

◆最高裁判例要旨(平成二六年四月分)

判例評論

四六 嫡出でない子の法定相続分に関する民法九〇〇条四号但し書前段の規定を違憲とする最高裁大法廷決定

(最大決平25・9・4)……渡邉泰彦

四七 薬事法施行規則一五条の四第一項一号(同規則一四二条において準用する場合)、一五九条の一四第一項及び二項本文、一五九条の一五第一項一号並びに一五九条の一七第一号及び二号の各規定の法適合性――市販薬ネット販売権訴訟上告審判決

(最二判平25・1・11)……山下竜一

四八 脳血管疾患及び虚血性心疾患等に係る労災補償給付の支給決定がされた被災労働者が所属していた事業場名は、情報公開法五条一号、五条二号イ及び五条六号柱書所定の不開示情報に該当するとされた事例

(大阪高判平24・11・29)……池村正道

四九 処分行政庁が、行政文書の一部非開示決定に対する異議申立てにつき棄却決定をした後、市長の交替及び市議会が非公開部分の公開を求める請願を採択したことを理由とし、公益に基づく裁量的開示処分として、非公開部分を公開する旨の決定をしたことは、行政行為の撤回等にあたり、かつ、その適法要件を欠き、行政庁の裁量権の範囲を逸脱して違法であるとされた事例

(横浜地判平25・3・6)……興津征雄

五〇 破産者による納税保証が破産法一六〇条三項所定の無償行為に当たるとして破産管財人の否認権行使が認められた事例

(東京高判平25・7・18)……野一色直人

五一 固定資産課税台帳に登録された土地の価格の違法性判断基準

(最二判平25・7・12)……田中 治

五二 障害者自立支援法二九条一項に基づく介護給付費の支払い決定は行政処分に該当せず、また、入院中の介護は「重度訪問介護」に該当しないとされた事例

(東京地判平25・1・29)……大沢 光

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