バックナンバー

判例時報 No.2209
             平成26年3月11日 号 定価:838円 (本体価格:762円+10%税)

■判例特報
セブン―イレブン値引き制限訴訟判決
 (①東京高判平25・8・30、②福岡高判平25・3・28、③福岡地判平25・3・28)
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 5件
<知的財産権> 1件
<労働> 1件


◆記 事◆

iPS細胞の実用化と法的責任の概要(上)……升田 純

◆判例特報◆

①事件
コンビニエンス・ストアのフランチャイザーがフランチャイジーに対してデイリー商品の見切り販売による値引きをしないよう求めたり、見切り販売が禁止されている旨を言明したり、同販売をしたときには加盟店契約の更新に影響があるとか、更新されない旨の言動などをした場合は、フランチャイズ契約に定められた経営指導、助言の域を超えるものであって、見切り販売妨害行為として独占禁止法の禁止する優越的地位の濫用に当たり、公正取引委員会の排除命令に違反するとされた事例、ほか

②事件
コンビニエンス・ストアのフランチャイザーがフランチャイジーに対してデイリー商品の見切り販売による値引きをしないよう求めた言動は、フランチャイズ契約に定められた経営指導、助言の範囲に止まるものであって、独占禁止法の禁止する再販売価格拘束に当たらないとされた事例、ほか

③事件
フランチャイザーがフランチャイジー三者に対して、デイリー商品の見切り販売による値下げをしないよう求めるに際して、恫喝に近い態度を示したり、値下げ販売がフランチャイズ契約上の違反行為になるなど虚偽の事実を述べたことが、フランチャイジーの価格決定権を侵害した不法行為に当たるとして損害賠償責任が認められた事例、ほか
――セブン―イレブン値引き制限訴訟判決

(①東京高判平25・8・30、②福岡高判平25・3・28、③福岡地判平25・3・28)

◆判決録細目◆

行 政

▽居住地から職場や学校等への日々の通勤や通学等の手段として反復継続して日常的に鉄道を利用している者は、鉄道事業法に基づく旅客運賃認可処分の取消しの訴え等の原告適格を有するとされた事例

(東京地判平25・3・26)

民 事

◎保証人が主たる債務を相続したことを知りながら保証債務の弁済をした場合における主たる債務の消滅時効の中断

(最二判平25・9・13)

○第一審で敗訴した者が控訴提起に伴う強制執行停止の担保を提供した場合に、一部敗訴の確定した控訴審判決に従い損害賠償金及び遅延損害金の全額を弁済したときには、「担保の事由が消滅した」といえるとされた事例

(東京高決平25・7・19)

○死刑囚の再審請求のための弁護人の面会の求めについて立会いを付したことは違法であるとして、国家賠償請求が認容された事例

(広島高判平25・10・25)

▽一 将来のロイヤルティ相当額の計算が困難であり、その額をあらかじめ一義的に明確に認定することはできないとして、その損害賠償金の支払を求める請求に係る訴えが却下された事例
二 ロボットに関連した教室の運営を目的とするフランチャイズ契約を締結するにあたって、被告が同契約締結以前にロボットに関連する別の教室を運営していたことを考慮して交渉が進められており、当該教室と被告がフランチャイズ契約締結後に運営を始めたロボットに関連する教室とが異なる内容のものであるとは認められないなどの事情の下では、前記フランチャイズ契約締結後にロボットに関連する教室の運営を始めたことをもって、被告に競業避止義務違反があるとはいえないとされた事例
三 被告がフランチャイズ契約を締結する以前にロボットに関連する教室を運営していたほか、被告が同契約後に運営を始めたロボットに関連する教室では同契約により原告から引き渡された教材が使用されていなかったなどの事情の下では、被告がロボットに関連する教室の運営を始めたことをもって、被告に競業避止義務違反があるとはいえないとされた事例

(東京地判平25・5・17)

▽民主党の県連の役員らが、民主党を離脱し結成される新党に寄附するため、県連の資金を引出した行為を違法として、県連の役員らに対する共同不法行為による損害賠償請求が認容された事例

(盛岡地判平25・11・8)

知的財産権

○元従業員が在職中に行った発明等(合計二〇件)に係る特許等を受ける権利又はその共有持分を会社に承継させたことによる相当の対価について、当該発明等の自社実施品に係る超過売上高を自社実施品の売上高の二〇%又は四〇%、仮想実施料率を四%、会社の貢献度を九五%として算出すべきであるとして、合計七三万四五二一円及び遅延損害金の限度で請求が認容された事例

(知的財産高判平25・7・11)

労 働

○刑務所と委託先との業務委託契約に基づき、刑務所に派遣されていた管理栄養士について、その就労状況は偽装請負に当たるとした上、同栄養士の身体の安全に責任を負う刑務所が、炊場への立入りに不安を抱いた同栄養士の要望に適切に対処せず、かえって要望を述べた同栄養士につき、委託先に交代要請を行った行為は違法であるとして、同栄養士の国家賠償請求が一部認容された事例

(大阪高判平25・1・16)

Copyrightc 株式会社判例時報社 All Rights Reserved.

PAGE TOP