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判例時報 No.2193
             平成25年10月1日 号 定価:1466円 (本体価格:1333円+10%税)

<最新判例批評>
 新田秀樹 小賀野晶一 荒木新五 岡林伸幸
 江口隆裕 秋山栄一 阿部力也
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 5件
<知的財産権> 2件
<労働> 1件
<刑事> 1件


◆判決録細目◆

行 政

◎資本金等が一定額以上の法人の事業活動に対し臨時特例企業税を課すことを定める神奈川県臨時特例企業税条例(平成一三年神奈川県条例第三七号)の規定と地方税法七二条の二三第一項本文(平成一五年法律第九号による改正前は七二条の一四第一項本文)――神奈川県臨時特例企業税条例事件上告審判決

(最一判平25・3・21)

民 事

〇妻に全財産を相続させる旨の自筆証書遺言をしていた八一歳の男性(うつ病、認知症)が妻の生存中にした実妹に全財産を相続させる旨の公正証書遺言が遺言能力を欠き無効であるとされた事例

(東京高判平25・3・6)

▽銀行が信用保証協会の保証により会社に金銭を貸し付けたところ、会社が反社会的勢力関連企業であることが判明した場合、保証につき錯誤無効が否定された事例

(東京地判平25・4・24)

▽株式譲渡による企業買収における表明保証条項について、売主の表明保証違反が否定された事例

(東京地判平25・1・28)

▽国内で唯一稼働中の大飯原子力発電所の運転停止を求める住民等の保全処分の申立てが却下された事例

(大阪地決平25・4・16)

▽大型特殊自動車を運転中にてんかん発作により意識を失い小学生六名に衝突し死亡させた事故につき、加害車を保有し、運転者を雇用していた会社及び運転者と同居していた運転者の母親の損害賠償責任が認められた事例

(宇都宮地判平25・4・24)

知的財産権

○発明の名称を「高強度高延性容器用鋼板」とする特許の無効審判請求不成立審決について、特許法三六条六項一号(サポート要件)の判断に誤りがあるとして、審決が取り消された事例

(知的財産高判平25・2・20)

▽意匠に係る物品をエーシーアダプタとする意匠権について、意匠権侵害に基づいて差止及び損害賠償を認め、意匠法三九条一項に基づく損害額につき同項ただし書による控除がされた事例

(東京地判平24・6・29)

労 働

▽一 会社更生手続下の整理解雇においても、いわゆる整理解雇法理の適用があるとされた事例
二 整理解雇のいわゆる四要素(①人員削減の必要性、②解雇回避措置の相当性、③人選の合理性、④解雇手続の相当性)の充足性の有無ないし程度を総合考慮した上、整理解雇が有効と判断された事例

(東京地判平24・3・30)

刑 事

◎少年の被疑事件につき一旦は嫌疑不十分を理由に不起訴処分にするなどしたため家庭裁判所の審判を受ける機会が失われた後に事件を再起してした公訴提起が無効であるとはいえないとされた事例

(最三決平25・6・18)

判例評論

五八 単独であれば保険診療となる療法と先進医療であり自由診療である療法とを併用する混合診療において、その先進医療が評価療養の要件に該当しないためにその混合診療が保険外併用療養費の支給要件を満たさない場合には、上記の保険診療に相当する診療部分についても保険給付を行うことはできないとされた事例――いわゆる混合診療事件

(最三判平23・10・25)……新田秀樹

五九 家庭学校に入所した児童が同じ居室の年上の児童から性的逸脱行動(性的暴行)を受けたことにつき、被害者及びその両親から家庭学校の職員に過失があったなどとして家庭学校及び入所の措置をした北海道に対してなされた損害賠償請求が棄却された事例

(札幌地判24・9・26)……小賀野晶一

六〇 賃料増額請求の一部を正当とする判決確定までに同判決により正当とされた額を超えて支払われていた賃料の過払分についての賃貸人の返還義務と借地借家法三二条二項ただし書の類推適用の可否

(東京高判平24・11・28)……荒木新五

六一 携帯電話の利用サービス契約の中途解約の解約金条項が消費者契約法九条一号、一〇条に違反しないとし、適格消費者団体の差止請求が棄却された事例

(大阪高判平24・12・7)……岡林伸幸

六二 「やむを得ない事由」がある場合にも代議員会の承認が必要とする厚生年金基金規約は、その限度で公序良俗に反し無効であり、その場合には厚生労働大臣の認可は不要で、届出で足りるとした事例

(長野地判平24・8・24)……江口隆裕

六三 卒業式直前に保護者らに対して大声で呼び掛けを行い、これを制止した教頭らに対して怒号などし、卒業式の円滑な遂行を妨げた行為をもって、刑法二三四条の罪に問うことが、憲法二一条一項に違反しないとされた事例――いわゆる都立板橋高校事件上告審判決

(最一判平23・7・7)……秋山栄一

六四 強制執行妨害幇助罪の成立を認めた原判決の事実認定が是認された事例

(最三決平23・12・6)……阿部力也

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