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判例時報 No.2141
             平成24年4月21日 号 定価:838円 (本体価格:762円+10%税)

■判決録
<民事> 5件
<知的財産権> 2件
<刑事> 1件


◆記 事◆

司法行政について(上)……西 理
預金についての民法と刑法
 ――最高裁平成15年3月12日決定、最高裁平成20年10月10日判決を契機として……林 幹人
現代型取引をめぐる裁判例 (300)……升田 純
海外刑法だより(323)国際汚職犯罪の被害者……森下 忠
書 評
 門口正人[著]「裁判官 フランスを歩く―フランスの社会・司法事情」……山本和彦

◆判決録細目◆

民 事

○独立行政法人国立病院機構の運営する病院内で発生した医療事故に関し、同機構の運営する各病院の院長等をもって構成する全国国立病院院長協議会に置かれた医療事故評価委員会から付託を受けた評価専門医が作成した医療事故報告書が、民事訴訟法二二〇条四号ロ所定の文書に該当するとされた事例

(東京高決平23・5・17)

▽特別区の区長が区の広報紙の区長名義のコラム記事中で区政に対する批判的な内容を記載したミニコミ紙を論難した行為は名誉毀損に当たるとして、当該特別区に対し謝罪広告の掲載が命ぜられた事例

(東京地判平23・12・9)

▽不法行為に基づく損害賠償請求権について、再生債務者において、自認債権として認否書に記載すべき場合に当たらないとされた事例

(東京地判平23・10・21)

▽市を委託者兼受益者、信託銀行を受託者、市所有土地を信託財産とする公有地信託契約に基づく受託者の費用補償請求は認容されたが、委託者兼受益者の事業配当請求は棄却された事例

(大阪地判平23・12・9)

▽町民が町立中学校のグランドに入り込み鉄棒で前回りをした際、鉄棒が支柱から外れ落ち落下し受傷した事故について示談が成立していたが、一二年後に症状が悪化したことから求めた損害賠償につき、町民の受診の遅れ等を理由に過失相殺をすべきではないとされた事例

(札幌地判平23・7・27)

知的財産権

○一つの手続補正書によりされた補正は、補正事項ごと、又は請求項ごとの補正としてその可否が審理され判断されるものではなく、一体として扱われ、一部に補正要件違反がある場合は、その補正は全体として却下されるべきことを予定していると解するのが相当であるとして、審決における補正却下の判断が支持された事例

(知的財産高判平23・6・14)

○インターネット通信による親子機能を有する機器を利用して、海外等において日本国内の放送番組等の複製又は視聴を可能にするサービスについて、サービス提供者が放送番組等の複製の主体であり、放送事業者の著作権及び著作隣接権を侵害しているとされた事例――ロクラクⅡ事件差戻審判決

(知的財産高判平24・1・31)

刑 事

◎適法用途にも著作権侵害用途にも利用できるファイル共有ソフトWinnyをインターネットを通じて不特定多数の者に公開、提供し、正犯者がこれを利用して著作物の公衆送信権を侵害することを幇助したとして、著作権法違反幇助に問われた事案につき、幇助犯の故意が欠けるとされた事例

(最三決平23・12・19)

◆最高裁判例要旨(平成二四年一月分)

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