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判例時報 No.2135
             平成24年2月21日 号 定価:838円 (本体価格:762円+10%税)

■判例特報
 賃貸住宅更新料訴訟上告審判決
  (最二判平23・7・15)
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 4件
<知的財産権> 2件
<商事> 1件
<刑事> 1件


◆記 事◆

可部恒雄さんの思い出……泉 徳治
シンポジウム
 『裁判員裁判の量刑』……日本裁判官ネットワーク
現代型取引をめぐる裁判例 (296)……升田 純
海外刑法だより(321)英国の贈収賄法(上)……森下 忠

◆判例特報◆

 一 消費者契約法一〇条と憲法二九条一項
二 賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料の支払を約する条項の消費者契約法一〇条にいう「民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」該当性

――賃貸住宅更新料訴訟上告審判決(最二判平23・7・15)

◆判決録細目◆

行 政

○深夜から翌朝まで同僚と飲み明かした者が、同僚から自動車で送るという申出を承諾したことは、同僚が酒気帯び運転をすることを心理的に容易にしたものであり、運転免許の取消事由である「重大違反唆し等をしたとき」に当たるとして県公安委員会がした運転免許取消処分が適法とされた事例

(東京高判平23・7・25)

民 事

◎金銭消費貸借に係る基本契約が順次締結され、これらに基づく金銭の借入れと弁済が繰り返された場合において、各基本契約に当初の契約期間の経過後も当事者からの申出がない限り当該契約を二年間継続し、その後も同様とする旨の定めが置かれていることから、先に締結された基本契約に基づく取引により発生した各過払金をその後に締結された基本契約に基づく取引に係る各借入金債務に充当する旨の合意が存在するとした原審の判断に違法があるとされた事例

(最一判平23・7・14)

◎弁護士であるテレビ番組の出演者において特定の刑事事件の弁護団の弁護活動が懲戒事由に当たるとして上記弁護団を構成する弁護士らについて懲戒請求をするよう視聴者に呼び掛けた行為が、不法行為法上違法とはいえないとされた事例

(最二判平23・7・15)

○競売手続により区分所有建物を買い受け、管理組合に対し、前所有者が滞納した管理費等を支払った買受人が、破産手続を経て免責許可決定を受けた前所有者に対し、求償請求をし、当該区分所有建物が破産財団から放棄された後、買受人がこれを取得するまでに発生した管理費等について求償が認められた事例

(東京高判平23・11・16)

○アスベスト(石綿)工場の元労働者が石綿肺等に罹患したことにつき国の規制権限不行使を理由とする国家賠償法一条一項に基づく損害賠償請求が棄却された事例――大阪泉南アスベスト国家賠償請求訴訟控訴審判決

(大阪高判平23・8・25)

知的財産権

○発明の名称を「臭気中和化および液体吸収性廃棄物袋」とする本願発明について、同発明は、引用発明に周知事項を組み合わせることにより、当業者が容易に発明をすることができたとした審決に対して、引用発明には、本願発明が目的とする解決課題が存在せず、周知事項を組み合わせる動機がないなどと判示して、審決が取り消された事例

(知的財産高判平23・9・28)

○対象製品が発明の名称「梨地成形用金型」に係る特許発明の「独立状態の凹部を形成して」という構成を有することを認めるに足りない上、対象製品の製造工程によっては上記発明が目的とする構成を得ることができず、発明の効果も達成できないとして、特許権侵害が否定された事例

(知的財産高判平23・10・20)

商 事

▽破産前の会社の取締役等(会社のオーナーで取締役の退任登記をした者を含む)及び監査役等に対して、同会社に委託した商品先物取引の適合性原則違反、不当勧誘により損害を被ったとして、顧客が求めた旧商法二六六条ノ三第一項に基づく損害賠償請求が認められた事例

(大阪地判平23・10・31)

刑 事

◎第一審裁判所が犯罪の証明がないことを理由として無罪の言渡しをした場合と控訴審における勾留

(最二決平23・10・5)

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