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2299

判例時報 No.2299
平成28年9月1 号 定価: 1440 円(税込)

<最新判例批評>
 今本啓介 本間康規 川村尚志 北河隆之
 
刑法判例と実務
 ──第九回 正当防衛(上)──……小林憲太郎
面会交流に関する家裁実務の批判的考察……可児康則
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 8件


◆記 事◆

刑法判例と実務──第九回 正当防衛(上)──……小林憲太郎
面会交流に関する家裁実務の批判的考察……可児康則

◆判決録細目◆

行 政

▽中野区議会の特定の会派が政務活動費の一部を公益社団法人の運営費に充てた支出が、中野区議会政務活動費の交付に関する条例五条、別表及び同議会が定めた政務活動費の手引きに逸脱しているとして、不当利得返還請求が認められた事例

(東京地判平28・3・22)

民 事

◎一 精神障害者と同居する配偶者と民法七一四条一項にいう「責任無能力者を監督する法定の義務を負う者」
二 法定の監督義務者に準ずべき者と民法七一四条一項の類推適用
三 線路に立ち入り列車と衝突して鉄道会社に損害を与えた認知症の者の妻が法定の監督義務者に準ずべき者に当たらないとされた事例
四 線路に立ち入り列車と衝突して鉄道会社に損害を与えた認知症の者の長男が法定の監督義務者に準ずべき者に当たらないとされた事例

(最三判平28・3・1)

○大阪市の職員に対する労使関係のアンケートの実施が違法であるとして、同市の職員や労働組合の損害賠償請求を認容した事例

(大阪高判平27・12・16)

○交通事故で死亡した者の相続人と保険会社との示談が相続人の意思無能力により無効とされた事例

(大阪高判平27・9・30)

○冠婚葬祭互助契約における解除時の手数料差引条項に消費者契約法九条一号の違法はないとされた事例

(福岡高判平27・11・5)

▽妻が夫に対し暴力をふるったとして夫により提起された損害賠償(慰謝料)請求の基本事件を、後に夫が提起した離婚及び損害賠償(慰謝料)請求の別件事件の係属する家庭裁判所へ移送することを妻が求めたのに対し、基本事件は暴力の有無に争いがなくその経緯等について争いがあるのみであり、基本事件を移送して別件事件と併合審理することはその解決を遅延させる可能性が高い上、両事件をあえて別個に提起した相手方の意思にも反するとして、移送申立てを却下した事例

(東京地決平28・1・15)

▽海外研修旅行先で発生した地震により死亡した学生らの親が市長宛ての要望書で面会を求めたことについて、市長が、定例記者会見において、「訳の分からない失礼な文章」、「物事の節度、有り様、礼儀をわきまえない手紙」、「これだけ言っても意味の分からない、ご理解されない体質の人」と表明したことが、意見ないし論評としての域を逸脱したものであるとして、名誉毀損による不法行為の成立が認められた事例

(富山地判平27・11・25)

▽指名競争入札において建設業者に対する違法な指名回避があった旨の判決が確定したことにより損害賠償金の支払をした普通地方公共団体が、その当時、建設業者指名審査会の会長でもあった元助役に対し、国家賠償法一条二項に基づく求償金等請求訴訟を提起したことが違法な行為とはいえないとされた事例

(熊本地人吉支判平28・1・13)

▽基本事件と主要な争点を同じくするだけでなく、強い関連性を有する事件において、被告国等の指定代理人として現に中心的に活動し、かつ、被告国等の主張書面の作成にも何らかの影響を及ぼした可能性のある者が、その直後に基本事件の受訴裁判所を構成する裁判官となったとき、当該裁判官について「裁判の公正を妨げるべき事情」があり、忌避に理由があるとされた事例

(金沢地決平28・3・31)

判例評論

四三 任期を短縮する定款変更による取締役の退任と会社法三三九条二項の類推適用の可否および賠償の範囲

(東京地判平27・6・29)……河村尚志

四四 債権者が債務者の第三債務者に対する貸金債権を代位請求する訴訟において、先行する債務者の第三債務者に対する訴訟において債権の譲受人が独立当事者参加したところ、債権譲渡を有効とするとともに当該債権について第三債務者の債権譲受人に対する反対債権による相殺の抗弁が容れられて、いずれの請求をも棄却する判決が確定した後に、当該債権譲渡が詐害行為取消訴訟によって取り消されたとしても、先行確定判決の既判力により債権者の貸金債権の主張立証が許されなくなるとした事例

(東京地判平27・3・3)……本間靖規

四五 同族会社が、一〇〇%子会社に当該子会社の株式を譲渡し、みなし配当額を譲渡対価額から控除して計算した譲渡損失額を損金の額に算入したことにつき、税務署長が法人税法一三二条一項に基づき委任した更正処分を違法と判断した事例──IBM事件

(東京高判平27・3・25)……今本啓介

四六 任意自動車保険の約款上の被害者直接請求権は自賠法一六条による被害者請求権とは異なる枠組みでの運用を予定しており、被害者が加害者(被保険者)に対する損害賠償請求権を行使しないことを一方的かつ抽象的に宣言することによって、直ちに、保険者に損害賠償額の支払を求める法的手続を取ることを許容するものではないとして、請求が棄却された事例

(仙台高判平26・3・28)……北河隆之

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