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判例時報 No.2364*
平成30年5月21日 号 定価: 830 円(税込)

現代型取引をめぐる裁判例(430)……升田 純
 
岐路に立つ裁判官(14)
 砂川事件再審請求の法律上の根拠
  ─司法権の正統性が問われる東京高裁決定……吉永満夫
 
■判例特報
 砂川事件再審請求即時抗告審決定(東京高決平29・11・15)
 
■判決録
<行政> 2件
<民事> 3件
<知的財産権> 2件
<刑事> 3件
 


◆記 事◆

現代型取引をめぐる裁判例(430)……升田 純
岐路に立つ裁判官(14)
 砂川事件再審請求の法律上の根拠
  ─司法権の正統性が問われる東京高裁決定……吉永満夫

◆判例特報◆

 いわゆる砂川事件につき最高裁判所大法廷が憲法三七条一項の「公平な裁判所」を構成していなかったことが非類型的免訴事由に当たるとして免訴判決を求めた再審請求に対し、刑事訴訟法三三七条各号の免訴事由は限定列挙であり、再審免訴事由に同条各号以外の非類型的免訴事由は認められないとして、再審請求審が、非類型的免訴事由に基づく再審請求の可否につき判断を留保した上で、最高裁大法廷が「公平な裁判所」を構成していなかったという前提事実の有無を検討した判断手法を不適切であったとしつつ、再審請求を棄却した原決定を結論において支持した事例

――砂川事件再審請求即時抗告審決定(東京高決平29・11・15)

◆判決録細目◆

行 政

◎地方公共団体は、その機関が保管する文書について、文書提出命令の名宛人となる文書の所持者に当たるか

(最二決平29・10・4)

▽地方公共団体が随意契約の方法により締結した請負契約が地方自治法施行令一六七条の二第一項五号の「緊急の必要により競争入札に付することができないとき」に当たらないとして右契約に違法があるとされた事例

(大阪地判平29・5・19)

民 事

○当事者間の子が、養育費増額の審判の半年後に大学に入学し、成年に達した後も学納金及び生活費等を必要とする状態にあるという事情の変更が生じた場合において、変更の可否及びその内容については、大学進学了解の有無、支払義務者の地位、学歴、収入等を考慮して判断すべきであるとし、私立大学への学納金については支払義務を認めず、養育費支払期間の終期を子が成年に達する日の属する月までから二二歳に達した後の最初の三月までに延長することを認めた事例

(東京高決平29・11・9〈参考原審:さいたま家川越支審平29・8・18掲載〉)

○弁護人が勾留中の被告人に対し母親から預かった手紙を差し入れることを拘置所の職員が拒否したことが違法であるとして、弁護人の国家賠償請求が認められた事例

(広島高判平29・11・28〈参考原審:広島地判平28・5・11掲載〉)

▽インターネット上の掲示板において他人の顔写真やアカウント名を利用して他人になりすまし第三者に対する中傷等を行った行為につき、右他人に対する名誉権及び肖像権の侵害が認められるとして、不法行為責任を認めた事例

(大阪地判平29・8・30)

知的財産権

○パラメータ発明についてサポート要件を満たさないと判断した事例──トマト含有飲料事件

(知財高判平29・6・8)

▽登録商標の使用許諾があったと信じるにつき正当な理由があったとして、商標権侵害について過失の推定が覆され、不法行為による損害賠償請求が棄却された事例

(大阪地判平29・4・10)

刑 事

○DNA型鑑定の信用性を否定した事例

(大阪高判平29・4・27〈参考原審:大阪地堺支判平28・9・21掲載〉)

▽配下組員が警護目的でけん銃等を所持した場合につき、襲撃される危険が高く、組長の身辺に随行して厳重な警護態勢を取っていた等の事実認定を前提として、警護対象である組長にけん銃等の所持の共謀共同正犯が成立するとした事例

(大阪地判平29・3・24)

▽一 覚せい剤使用の嫌疑による強制採尿令状の請求準備着手から同令状執行までの間、執行確保の目的で動向監視中の被告人を一定の場所に留め置くために逮捕行為に相当する有形力を行使した警察官の措置を違法とした事例
二 強制採尿令状の発付を確認することなく令状が発付されたと被告人等に告げた警察官には、令状主義の精神を軽視する姿勢が顕著であるとして、違法な留め置きの後に得られた尿の鑑定書等の証拠能力を否定した事例

(大阪地判平29・3・24)

※訂正箇所

●本誌45頁・4段・判事事項1行目
 誤 …拘留
 正 …勾留

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