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2355

判例時報 No.2355
平成30年2月21日 号 定価: 830 円(税込)

憲法訴訟の実践と理論(10)
 思想及び良心の自由をめぐる実践と理論の課題
  ――国歌斉唱強制事件を素材として――……木下智史
 
法曹実務のための行政法入門(11)
 ─―行政の行為形式論⑦――行政計画・実効性確保の仕組み……高橋 滋
 
現代型取引をめぐる裁判例(427)……升田 純
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 5件
<知的財産権> 1件
<商事> 2件
<労働> 2件
<刑事> 2件


◆記 事◆

憲法訴訟の実践と理論(10)
 思想及び良心の自由をめぐる実践と理論の課題
  ――国歌斉唱強制事件を素材として――……木下智史
法曹実務のための行政法入門(11)
 ―─行政の行為形式論⑦――行政計画・実効性確保の仕組み……高橋 滋
現代型取引をめぐる裁判例(427)……升田 純

行 政

◎じん肺管理区分が管理一に該当する旨の決定を受けた常時粉じん作業に従事する労働者等が管理四に該当するとして提起した右決定の取消訴訟の係属中に死亡した場合における労働者災害補償保険法一一条一項に規定する者による訴訟承継の成否

(最一判平29・4・6)

民 事

◎破産債権者が破産手続開始後に物上保証人から債権の一部の弁済を受けた場合における、破産手続開始時の債権の額を基礎として計算された配当額のうち実体法上の残債権額を超過する部分の配当方法

(最三決平29・9・12)

○タレントと事務所との専属契約につき、両者の信頼関係が破壊されたとして、タレントからの解除の効力を認めた事例

(東京高判平29・1・25〈参考原審:東京地判平28・9・2掲載〉)

○一 取引勧誘に当たって取引上の優越的地位を濫用して虚偽の説明や誤認を誘発する不適切な説明を行うことが、不法行為上の違法行為に当たるとした事例
二 月額一〇〇〇万円を優に超える売掛金を発生させることを認識しながら、これを秘して取引高が月額一〇〇〇万円程度になるとの説明をして勧誘した行為につき、勧誘者には、信義則上、取引抑制義務があるとした事例

(東京高判平29・3・29〈参考原審:東京地判平28・9・30掲載〉)

○受遺者が、遺留分権利者の占有する建物の明渡しを請求するにあたり、裁判所の定めた価額を弁償する意思を表明して、弁償すべき価額の支払を条件として建物の明渡しを求めた場合は、特段の事情のない限り、弁償すべき価額を定めた上、その価額の支払があったことを条件として建物の明渡請求を認容することができるとした事例

(東京高判平28・6・22〈参考原審:横浜地判平28・1・26掲載〉)

○相手方が、抗告人らに対し、相手方を未成年者(一五歳)と面会交流させる義務を履行しなかったとして、間接強制の申立てをした事案について、間接強制をするためには債務者の意思のみによって債務を履行する事ができる場合であることが必要であるが、本件未成年者のような年齢の場合は子の協力が不可欠である上、本件未成年者は相手方との面会交流を拒否する意思を強固に形成しているところ、本件未成年者の精神的成熟度を考慮すれば、抗告人らにおいて本件未成年者に面会交流を強いることは未成年者の判断能力ひいてはその人格を否定することになり、却って未成年者の福祉に反する事から、本件債務は抗告人らの意思のみによって履行することは出来ず履行不能であるなどとして、相手方の間接強制の申立てを却下した事例

(大阪高決平29・4・28〈参考原審:大阪家決平29・1・27掲載〉)

知的財産権

◎特許権者が、事実審の口頭弁論終結時までに訂正の再抗弁を主張しなかったにもかかわらず、その後に特許法一〇四条の四第三号所定の特許請求の範囲の訂正をすべき旨の審決等が確定したことを理由に事実審の判断を争うことの許否

(最二判平29・7・10)

商 事

○譲渡した事業と同一の事業を行った者について会社法二一条三項の違反を認め、差止請求及び損害賠償請求が認容された事例

(知財高判平29・6・15〈参考原審:東京地判平28・11・11掲載〉)

○会社が政治資金パーティーへの出席を予定しないことを認識しながらパーティー券を購入したとしても、購入されたパーティー券に出席を予定しないものが含まれていることを主催者が個別的に把握し、その寄附性を認識していない限り、当該パーティー券購入は、政治資金規正法二一条一項で禁止される「寄附」に当たらないとして、取締役の損害賠償責任を否定した事例

(東京高判平28・7・19〈参考原審:東京地判平27・5・28掲載〉)

労 働

▽一 求人票記載の労働条件は当事者間においてこれと異なる別段の合意をするなどの特段の事情のない限り労働契約の内容となると解するのが相当であるとして、求人票にそった労働契約の成立を認めた事例
二 就労開始後に提示された労働条件通知書に原告の署名押印があることにより既に成立している労働契約の内容が変更されたといえるのかにつき、重要な労働条件の変更である場合は当該変更に対する労働者の同意の有無についての判断は慎重になされるべきであるとして、不利益変更を否定した事例

(京都地判平29・3・30)

▽日雇派遣および日々紹介により就労していた労働者による、職業安定法四四条違反、派遣就労の一方的なキャンセル、賃金の即給サービスを利用した場合の振込手数料の控除等をめぐる、派遣元・紹介元および派遣先・紹介先に対する損害賠償請求がいずれも棄却された事例

(さいたま地川越支判平29・5・11)

刑 事

▽被告人が殺意をもって被害者を自動車の車底部で引きずった後、殺意なく被害者の身体を車輪で二度にわたりれき過した結果、れき過行為を直接の原因として被害者が死亡した事案について、因果関係を肯定し、殺人罪の成立を認めた事例

(大阪地判平29・3・1)

▽産後うつ病と診断された被告人が生後五か月の長女を殺害した事案について、犯行時心神耗弱の状態にあったとして、懲役三年、執行猶予五年を言い渡した事例

(千葉地判平29・3・3)

◆最高裁判例要旨(平成二九年一〇月分)

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