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2286

判例時報 No.2286
平成28年5月1日 号 定価: 1440 円(税込)

<最新判例批評>
 大澤逸平 松本克美 伊原友己 盛 誠吾 廣瀬健二 三好幹夫

刑事判決書における法令適用の記載
 ──起案の手引を出発点として──……安西二郎

刑法判例と実務
 ──第五回 不作為犯論──……小林憲太郎

スカリア判事の急逝
 ──時の魔術師が遺したもの──……大林啓吾

■判決録
<行政> 2件
<民事> 6件
<商事> 1件
<労働> 1件
<刑事> 1件


◆記 事◆

刑事判決書における法令適用の記載 ──起案の手引を出発点として──……安西二郎

刑法判例と実務 ──第五回 不作為犯論──……小林憲太郎

スカリア判事の急逝 ──時の魔術師が遺したもの──……大林啓吾

◆判決録細目◆

行 政

 領置証拠物の紛失について、保管機関において当該領置物が再審請求の審理で重要な証拠として採用される蓋然性があることを知り、又は容易に予見することができない限り、刑事事件の再審請求者には国賠責任を問いうる法律上保護されるべき利益がないとされた事例

(東京高判平27・5・13)

一  土地家屋調査士法四四条一項に基づく懲戒申出を受けた地方法務局長がした当該土地家屋調査士に対し懲戒処分を行わないとの決定の行政処分性(積極)
二  土地家屋調査士法四四条一項に基づく懲戒申出をした者が提起した当該土地家屋調査士に対し懲戒処分を行わないとの地方法務局長の決定の違法確認の訴えの適否(消極)

(名古屋高判平27・11・12)

民 事

一  訴訟上の和解が成立したことによって訴訟が終了したことを宣言する第一審判決に対し被告のみが控訴した場合と不利益変更禁止の原則
二  訴訟上の和解が成立したことによって訴訟が終了したことを宣言する第一審判決に対し被告のみが控訴した場合において、控訴審が、右和解が無効であり、かつ、請求の一部に理由があるが第一審に差し戻すことなく自判しようとするときの判決主文

(最一判平27・11・30)

 血縁関係にない被控訴人Dに対する被控訴人Cの認知について、Cの父母である控訴人Xらが民法七八六条の「利害関係人」に当たるとし、これと異なる見解に立ってXらによる同認知の無効確認の訴えを不適法として却下した原判決を取り消し、本件を原審に差し戻した事例

(東京高判平26・12・24)

 購入した土地付き建売住宅の基礎に重大な瑕疵があるとし、売主会社、同社の代表取締役、仲介会社の代表取締役の不法行為責任が認められた事例

(大阪高判平25・3・27)

 路線バスが歩行者を轢過した事故について、自賠法三条但書の免責が認められた事例

(東京地判平27・6・26)

一 水俣病のり患の有無は、感覚障害等の症候の有無、発現部位や発現時期、その原因が中枢神経の障害にあることをうかがわせる事情の有無等や当該感覚障害等の症候について他原因によるものであることを疑わせる事情の有無等の医学的観点だけでなく、メチル水銀曝露歴、生活歴、種々の疫学的知見や調査結果等の具体的事情を総合考慮して判断すべきであり、曝露終了後四〇年以上経過後に、老化に伴い臨床症候が現れる遅発性水俣病の存在を否定することはできないとして、加害企業に対して、不法行為に基づく損害賠償請求を一部認めた事例
二 食品衛生法、水質二法、新潟県内水面漁業調整規則に基づく規制権限の不行使及び行政指導の不作為を理由とする国及び新潟県に対する国賠法一条一項に基づく損害賠償請求が認められなかった事例

(新潟地判平27・3・23)

 成年被後見人が相続債務について何ら遺言していないときは、家庭裁判所が審判で定めた成年後見人報酬金支払債務は、法定相続人が法定相続分に応じて分割承継するとした事例

(大阪地判平27・7・22)

商 事

一 残余財産の分配に関する属人的な定めについて全株主が同意している場合には、定款変更のための特殊決議があったものと同視することができるとして、右同意に従って残余財産の分配を行うべきであるとした事例
二 存否又は額について争いのある債権に係る債務について、弁済のための財産を留保することなく残余財産を分配したことを内容とする決算報告を承認する株主総会決議を無効とした事例

(東京地判平27・9・7)

労 働

 大学の入試委員会の委員長の入試ミスに対する減給一割一か月の懲戒処分が有効であると判断された事例

(札幌高判平27・10・2)

刑 事

一  覚せい剤所持の嫌疑による被告人の着衣及び所持品に対する捜索差押許可状の請求準備着手から右令状執行までの間、被告人を職務質問の現場に留め置いた措置を違法とした事例
二  職務質問現場における捜索差押許可状による捜索並びに発見された覚せい剤及び大麻の差押えは違法であるが右覚せい剤等及びその鑑定書等の証拠能力は否定されないとした事例

(東京高判平27・3・4)

判例評論

二四  責任を弁識する能力のない未成年者がサッカーボールを蹴って他 人に損害を加えた場合において、その親権者に七一四条一項に基づく責任の免責が認められた事例
(最一判平27・4・9)……大澤逸平

二五  建築瑕疵についての損害賠償請求権の消滅時効・除斥期間の起算点
(東京高判平25・10・31)……松本克美

二六  育成者権侵害訴訟における侵害判断基準が説示され、権利濫用の抗弁が認められた事例──なめこ事件
(知財高判平27・6・24)……伊原友己

二七  会社における業績連動型の賞与につき、その支給を求め得る具体的な請求権が発生していないとされた事例──クレディ・スイス証券事件──
(最一判平27・3・5)……盛 誠吾

二八  裁判員裁判における審理及び裁判の特例である区分審理制度と憲法三七条一項
(最三判平27・3・10)……廣瀬健二

二九  公判前整理手続で明示された主張に関しその内容を更に具体化する被告人質問等を刑訴法二九五条一項により制限することはできないとされた事例
(最二決平27・5・25)……三好幹夫

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